アビスパの未来を担う逸材!マルセロ好きを公言する突貫小僧系SBが示した成長の跡

2018年04月08日 松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

守備意識が高まったきっかけは新指揮官との出会い

攻撃力に守備力が備わった桑原。世代別代表歴もある期待のSBは今後どのようなプレーを見せるのだろうか。写真:松尾祐希(サッカーダイジェストWEB編集部)

 ルーキーイヤーから異質な才能で違いを見せてきた注目SBが、今季の初陣で成長の跡を示した。
 
 高円宮杯プレミアリーグが開幕し、WESTはヤンマースタジアム長居で2試合が行なわれた。昨季、最終節で奇跡の残留を果たした福岡U-18はC大阪U-18と対戦。相手の攻撃に粘り強く対応し、アウェーの地で勝点1を掴んだ。
 
 互いに手堅くゲームを進め、スコアレスドロ――。両者の対戦はオープニングマッチらしい展開で幕を閉じた。その一戦で成長の跡を示したレフティがいる。 

 何度止められようと勇猛にドリブルで突っかけていくスタイルで、1年時から出場機会を獲得してきた福岡の桑原海人(3年)だ。

 プレミアリーグ開幕戦でも、慣れ親しんだ左サイドから桑原がどう仕掛ていくのか注目を集めた。しかし、新たな一面を見せ、今までのプレーとは一線を画すパフォーマンスを披露したのだ。

 全体のバランスを考えたポジショニング。球際での強さ。的確なカバーリング。その動きに突貫小僧系SBで鳴らした姿はなかった。
 
 自身の変化に本人は、昨季12月に指揮官へ就任した藤崎義孝監督の教えが大きいと語る。
 
「藤崎監督には守備のところを言われていて、守りの意識を統一しようとしている。個人としても広島ユースと対戦した時に、守備の戻りが甘くなって失点に繋がった。それ以降、逆サイドにボールがある時は中に絞ることをかなり言われたんです」
 
 藤崎監督と出会い、守備への意識が高まった桑原。実際にC大阪U-18戦では前半中盤に中に絞り、相手の速攻を食い止めた。
 
 もちろん、「マルセロが好き」と本人が公言するように攻撃の姿勢を忘れたわけではない。後半の終盤は得点を奪うべく、積極的に高い位置を取った。得意のドリブルで相手に立ち向かい、桑原本来の良さは健在だ。
 
 今春にはトップのキャンプへ参加。シーズン開幕後も継続的に練習試合へ呼ばれ、2種登録もされている。福岡期待の左SBは攻撃力と新たな武器を携え、最終学年中のJデビューに向けて準備を進めていく。

取材・文●松尾祐希(サッカーダイジェストWEB編集部)

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