オールバックで激しいジェスチャー。インパクト抜群の新監督はレッズに何をもたらしたのか?

2018年04月08日 本田健介(サッカーダイジェスト)

ピッチに入りそうな勢いで選手たちを鼓舞。

大きなジェスチャーで指示を送る大槻監督。チームをリーグ戦で今季初勝利に導いた。(C)SOCCER DIGEST

[J1リーグ6節]浦和1-0仙台/4月7日/埼玉
 
 4月2日に堀孝史前監督との契約解除を発表した浦和は、6節で仙台と対戦し、リーグ戦初勝利を挙げた。"新生浦和"にとっては4月4日のルヴァンカップ・広島戦(0-0)に続く2戦目となったが、このゲームで目を引いたのが、ベンチ前で異様な存在感を放った大槻毅新監督だ。

 
 黒髪をオールバックでまとめた強面の指揮官は、試合開始からテクニカルエリアのギリギリまで出て、ピッチに入りそうな勢いで選手たちを鼓舞。大きなジェスチャーで指示を送り続けた。
 
 槙野智章は大槻監督の印象を次のように語る。
 
「監督会見に立ち会った方は分かると思いますが、話術のある方だと思います。ミーティングでも選手を引き込ませるような話し方をします。選手のモチベーションや士気を上げるのが上手い監督ですね。こういう状況で監督に頼ってしまう僕らは、未熟だと思いますが、短い時間でこれだけ変えられるのは大槻さんならではだと思います」
 
 さらに武藤雄樹も「大槻さんは試合前や練習でテンション高くやってくれるので、それにつられて雰囲気は良くなっていると感じます。前半は特にそういうシーンが見られたはずです。大槻さんの空気作りはプラスに働いています」と続ける。
 
「今日このスタジアムで、このタイミングで戦えなかったら、その選手はずっと戦えないと思った」という試合後の指揮官のコメントからも、その熱いパーソナリティが窺える。
 
 一方で、モチベーターとしての手腕だけでなく、冷静な分析力も見せた。仙台戦では相手が中盤を逆三角形にした3-5-2で臨んでくることを予想し、ミラーゲームを仕掛けるために中盤をトップ下が頂点となる三角形で構成した3-5-2をチョイス。「仙台さんの戦い方と僕らの戦力を比べた時にこの形が良いのではないかと選択した」とその理由を説明する。
 
 さらに後半は仙台に押し込まれる時間が続いたが、「前半の内容で後半も続けば良いなと思いつつも、こういう展開になるんだろうなと考えていました。ただ、想いのほかに早い時間で足が止まってしまった。そこから献身性みたいなものを見せてくれたのは良かったと思います」と、ゲーム内容もある程度は織り込み済みだったことを明かした。
 
 クラブは、大槻体制はあくまでも"暫定"で、新指揮官を招聘する意向を示している。もっとも、この期間でチームとして戦う姿勢を取り戻せれば、今後の巻き返しも十分に実現可能だろう。
 
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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