「どんな天候でも延期は禁止!」フィンランドで導入された厳しすぎる新ルールに波紋が

2018年04月06日 サッカーダイジェストWeb編集部

他会場を確保するか、ホーム開催を放棄するか

代表戦が行なわれるヘルシンキのオリンピック・スタジアムなどは、まだ恵まれた環境下にあるようだ。(C)Getty Images

 日本と同じ春秋制のシーズンカレンダーを採用しているのが、極寒にして雪深い北欧の国々だ。ほとんどの国は4月から10月までの半年間に、全日程を消化する。
 
 とはいえ、4月はまだ降雪が記録される地域があり、シーズン最終盤の10月下旬などは場所によって一面の銀世界となることも珍しくない。そうなると必然的に増えてしまうのが、順延や延期となるゲームの数。この抑制を兼ねて、今シーズンからフィンランドが大胆な新ルールの導入に踏み切った。

 
 12クラブが参加するフィンランド1部リーグ「ヴェイッカウスリーガ」のマッティ・アプネン会長が、地元テレビ局に明かしたのが、"天候による延期試合の原則禁止"だ。ホームチームはどんな天候であっても試合が行なえるピッチ状態を提供しなければならず、もしそれができないなら、代替開催が可能な他会場を確保するか、ホーム開催を放棄するというもの。同会長は「リーグとしては人工芝の採用を推進している。クラブ側がそこに積極投資してくれることにも期待を込めた」と話している。

 
 とはいえ、これは相当に厳しいルールだ。いくつかのクラブが強い反発を見せており、なかでも深刻なのが、オーランド諸島に本拠地を置くIFKマリーハム。バルト海に面した島は雪だけでなく暴風雨にも悩まされることが多く、順延や延期が少なくない。そのなかでも2016年シーズンには優勝を飾り、昨シーズンも5位と健闘した伝統あるクラブだ。
 
 同リーグでは同じチームと3度対戦するが、IFKは昨シーズンの優勝チームであるHJKヘルシンキとホーム、アウェー、アウェーの順で対戦する予定だ。その最初の試合は4月14日に開催されるが、もし天候不順でホーム開催が困難となった場合、IFKはHJKとの3試合をすべて「ホーム外」で戦わなければならなくなる。ペーター・マッツソン会長は「きわめてアンフェアだ。半島に住んでいること自体が有罪のようなレギュレーションであり、断固反対する」とコメントした。
 
 はたして、スムーズかつ無理のないリーグ運営が行なわれるのか。のっけから波乱含みのフィンランド・リーグは、4月7日に開幕する。
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