【大会展望】今週末に開幕!高円宮杯プレミアリーグWESTの本命は京都!対抗馬は…

2018年04月06日 森田将義

タレントを揃える京都を追うのは神戸と広島。高体連組は…

福岡慎平など世代別代表経験者も多くそろえる京都。総合力はWESTでも頭ひとつ抜けている。写真:松尾祐希(サッカーダイジェストWEB編集部)

 勝点、総得点で並び、昨年の栄冠を分けたのは総失点わずかに1。最終節まで神戸U-18と広島ユースがデッドヒートを繰り広げた高円宮杯JFA U-18プレミアリーグWESTが4月7、8日に開幕する。今季も、最後まで気の抜けない戦いが予想されるのは間違いない。
 
 前評判が高いのは、2年ぶりにEASTからWESTに復帰した京都U-18だ。今年の3年生は昨年のU-17W杯に出場したMF福岡慎平(3年)やMF上月壮一郎(3年)らを擁し、中学時代には日本一を経験している期待の世代。

 元々のタレント性に定評があったが、昨年EASTで厳しい戦いを経験したことにより、「我慢する時間帯にいかに守れるかが大事と学べた」(DF江川慶城/3年)。自らの長所を全面に押し出すチームが多いWESTでは異色のスタイルで、相手にとって脅威なのは確か。下馬評通り、先頭を走る可能性は高い。
 
 王者・神戸U-18も昨年、WEST最小失点の原動力となった小林友希と右田楓(ともに3年)のCBコンビやMF船越大夢、FW原尊(ともに3年)を含めた縦のラインが残っているのは強みだ。

 DF山崎大地(3年)ら守備陣に主力が残る広島ユースも、試合運びに安定感はある。ともに課題の決定力が高まれば、今年も上位争いに絡むだろう。
 
 注目チームとしては、クラブのレジェンドである實好礼忠監督が2年目を迎えたG大阪ユースが挙がる。「攻守一体」をテーマにした戦いが浸透し、新チームを立ち上げてすぐの昨年12月には、"Jリーグインターナショナルユースカップ"で優勝。今年に入ってからも大学生と互角以上の戦いを繰り広げるなど力は十分だ。

 3月に行なった静岡遠征で、静岡学園に1-3で敗れたことも「公式戦でやったらいけないミスがいっぱい出た。課題が出て逆に良かった」(MF足立翼/3年)と前向きに捉えており、開幕から引き締まったゲームが期待できる。
 
 C大阪U-18と名古屋U-18もタレントを揃えるが、前者はDF瀬古歩夢とMF喜田陽(ともに3年)、後者はDF菅原由勢とMF成瀬竣平(ともに3年)ら主軸となるべき選手がJの舞台で出番を掴んでいるため、プレミアへの出場が厳しい。彼らに続く次のタレント候補が出てくるかが今年の鍵になりそうだ。
 
 残留争いが予想されるチームにも曲者が多く、上位候補も気が休まらない試合が続く。毎年、Jのアカデミー勢を苦しめる東福岡はGK松田亮(3年)やDF西田翔央(3年)などプロ注目のタレントが並び、力は十分。昨年、最終節で奇跡的な残留を果たした福岡U-18も、厳しい戦いを経験し、DF桑原海人(3年)やMF北島祐二(3年)が逞しさを増しているのは強みだ。

 開幕戦で対峙する阪南大高と米子北も苦戦を理解した上で、粘り強く戦う"弱者の戦術"に磨きをかけ、ジャイアントキリングを虎視眈々と狙っている。それぞれの持ち味や想いがぶつかる好ゲームが予想されるため、例年通り1試合も目が離せないリーグになるのは確かだ。

文●森田将義(フリーライター)

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