【磐田】エースの川又堅碁が「ホッとした」今季初ゴール。得点後に指揮官と交わした言葉は?

2018年04月02日 梶山大輔(サッカーダイジェスト)

“背番号15”を後頭部に刈り込み…

先制点を決めた川又堅碁を出迎える名波浩監督。感動的なシーンで川又が口にしたのは……。(C)SOCCER DIGEST

[J1リーグ5節]磐田2-1浦和/4月1日/エコパ
 
 1点ビハインドで迎えた前半45分。右サイドから櫻内渚が柔らかいクロスを送る。エリア内に侵入した高橋祥平が頭で落とすと、ボールは川又堅碁のもとへ。巧みなトラップで収め、左足アウトで押し込む。リーグ戦5試合目にして、文字通り待望の初得点が生まれた。
 
「取れてよかった。ホッとしたけど、これからなので。切り替えて、また良い準備をできるようにしたい」
 
 先制点を奪った後はベンチへ駆け寄り、喜びを爆発させた。出迎えた名波浩監督と熱い抱擁を交わす。サポーターにとってたまらないシーンで、何やら叫んでいたのだが……。
 
「『ちゃんと見た?』って訊いた(笑)。そうしたら『見たぞ』って返してくれて。監督が言う通り、難しいゴールだったと思う」
 
 そうおどけた川又は、81分に2点目を奪った後のエピソードも明かしてくれた。
 
「ベンチの(三浦)龍輝がアダ(イウトン)のユニホームを持ってきてくれて、ホンマに良い奴だなと思った。試合に集中していたなかで、そうやって持ってきてくれた。本当に仲間思いな奴だなと」
 
 前節の広島戦で負傷し、全治6か月の大怪我を負ったアダイウトン。川又もまた、前線でともにプレーするブラジリアンを思い、"背番号15"を後頭部に刈り込んでいた。2点目の後はサポーターの前でその部分を指差していたが、「見てくれ」というメッセージだったようだ。
 
 決めるべき選手が決めれば、やはりチームは勢いづく。滑り込みを狙うロシア・ワールドカップの代表メンバー入りについても、「開幕からの4試合でゴールを決めていれば、ベルギー遠征に呼ばれた可能性はゼロではなかったと思う。今日からの連戦でどれだけゴールを決められるか、チームを勝たせられるかが大事」と色気を隠さない。
 
 野性味あふれる点取り屋にようやく訪れた春。重圧から解放された川又のゴール量産を大いに期待したい。
 
取材・文●梶山大輔(サッカーダイジェスト編集部)
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