話題沸騰! R・マドリーで技を磨く驚異の14歳、中井卓大はどれほどの逸材か

2018年03月30日 サッカーダイジェストWeb編集部

日本で初開催されたマドリーのショートキャンプで見初められ

“ピピ”の愛称で親しまれる中井。タレント集団の中にあっても威風堂々たる佇まいだった。(C) Getty Images

 レアル・マドリーのカンテラ(下部組織)に所属する14歳の若武者が、母国のファンの前で華麗なプレーを披露し、成長の跡を示した。
 
 エル・ブランコのカデーテB(U-15相当)に所属するMF中井卓大が、3月27日から29日まで神奈川県で開催された「U-15キリンレモンCUP」にチームの一員として出場。マドリーはグループステージを2勝1分けの首位で通過し、最終日の決勝トーナメントに臨んだ。 準決勝で大宮アルディージャU-15を6-0で撃破すると、決勝ではグループステージの初戦で2-2と引き分けた湘南ベルマーレU-15と再戦。チームは2-0で勝利を収め、中井は後半途中までピッチに立ち、優勝に貢献した。

 
 今春から日本で言うところの中学3年生になる中井は、スペインに渡って現在5年目。滋賀県で生を受け、MF望月嶺臣(京都サンガ)などを輩出したアズー滋賀FCで技を磨いた。地元では天才サッカー少年として有名で、渡欧前にはテレビにも登場。早くからその才能に注目が集まっていた。

 
 そんな中井に転機が訪れたのは2012年の夏だ。マドリーが日本で初めて開催したショートキャンプ(ファンデーションキャンププログラム)に参加する。そこで首脳陣から高い評価を得ると、何度かの入団テストなどを経て、翌年秋に晴れてカンテラーノとなったのだ。
 
 当時は3歳年上の久保建英(FC東京)もバルセロナのカンテラに所属していた。世界を代表するスペイン2大クラブの育成組織にふたりの日本人選手が籍を置くこととなり、大きな話題となったのは記憶に新しい。
 
 以後は日進月歩の成長を続け、いまや身長は170センチを超えた。その圧倒的な技巧のみならず、フィジカル面でも確かな進化を遂げた印象だ。プレーヤーとして想起させるのは、トップチームのクロアチア代表MFルカ・モドリッチだろうか。卓越したボールコントロールをベースにキープに長け、局面を確実に前へ進める。優れた戦術眼と精緻なパスも魅力だ。凱旋ゲームとなった今大会では主にアンカーを務め、安定したゲームコントロールでしっかり存在を示した。

 テレビのフラッシュインタビューで、「将来は日本代表のエースになりたいです」と語り、笑顔を見せた14歳。かつて泣き虫だったため"ピピ"というニックネームを付けられたが、いまではメンタルタフネスを武器とするほどのグレードアップを遂げた。

 中井卓大。期待を抱かずにはいられない、特大のビッグタレントだ。
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