“惨劇”から3年8か月――因縁のドイツに挑むセレソン指揮官が勝利宣言! 「あの亡霊はまだ消えてない」

2018年03月27日 サッカーダイジェストWeb編集部

いまだ消えない亡霊を消し去るために――。

選手、スタッフ、そして国民。ブラジル全土が悲しみに暮れた“ミネイロンの惨劇”。そのリベンジマッチの機会がついにやってきた。 (C) Getty Images

 サッカー王国ブラジルにとって運命のキックオフが迫っている。
 
 現地時間3月27日、ブラジルはドイツとベルリンで親善試合に臨む。2014年の母国開催のワールドカップ準決勝で1-7と屈辱の大敗を喫して以来の再戦となるだけに、サッカー王国にとっては単なるフレンドリーマッチではない。
 
 母国開催で世界制覇を義務付けられていた当時のセレソン。そこに立ちはだかったのがドイツだった。
 
 11分にトーマス・ミュラーに決められると、23分にミロスラフ・クローゼ、24分と26分にトニ・クロース、29分にサミ・ケディラと立て続けに失点を重ね、後半も69分と79分にアンドレ・シュールレに連続ゴールを奪われて、サッカー王国の威信は国民の面前で傷つけられた。
 
 ブラジルは90分にオスカールが1点を返したが、歴史的な大量失点を重ねてしまったチームには慰めにもならなかった……。結果、1-7という屈辱的敗戦を喫したこの試合は、"ミネイロンの惨劇"として記憶されている。

 
「あの傷は深く残っている」と回想したのは、現代表指揮官のチッチだ。試合当時、自宅で観戦していたという名伯楽は、27日の再戦を前に母国メディア『Globo』の取材に応じ、「私の妻はドイツの3点目が決まると泣き始めた」とエピソードを明かし、さらに続けた。
 
「あの試合は亡霊のようなんだ。みんな、いまだにあの時の話をする。だけど、話せば話すほど、亡霊は消えてはくれないんだ」
 
 国民が悲しみに暮れた日から3年8か月の歳月が流れた。あの時からブラジルは大黒柱のネイマールを中心に着実に成長を遂げている。事実、2016年6月のチッチ就任以降は、18試合でわずかに1敗と、その強さは誰もが認めるところだ。
 
 そんなブラジルの目標は、もちろんロシアW杯でワールドカップを掲げることにある。だがチッチは、「本大会で最高のパフォーマンスをするための準備期間」と前置きしながらも、「この試合(ドイツ戦)は感情的な割合が大きくなるだろう」とリベンジマッチの側面があることを強調した。
 
「ドイツとの試合はスポーツ的なチャレンジというよりも、感情的なチャレンジになるだろうね。我々の傷口はまだ開いたままだ。ベルリンでの試合は、その傷を癒やすための最後の工程になる。内容も重要だが、我々に求められているのは結果だ」
 
 あの惨劇から立ち直ろうとするセレソンは、因縁の相手から勝利を手にし、亡霊を消し去ることができるのだろうか。
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