スウェーデンで波紋を広げる『イブラ招集問題』! 代表監督は反対も協会幹部は…

2018年03月26日 サッカーダイジェストWeb編集部

当人は「常に扉は開いている」と前向き。

2016年のEUROを最後に代表チームから離れたイブラヒモビッチを、電撃復帰させるべきなのか? スウェーデンが揺れている。 (C) Getty Images

 昨年11月にイタリアとの激闘を制し、予選プレーオフを勝ち抜けて見事に3大会ぶり12回目のワールドカップ出場を決めたスウェーデン代表。「ブローギューラ(青と黄)」の愛称を持つ彼らは、強固な守備力を強みに世界大会への切符を勝ち取った。
 
 そんな北欧の強豪国をいま揺るがせているのが、"生ける伝説"と化したストライカーを巡る問題だ。その"生ける伝説"とは、EURO2016の終了とともに代表を引退したズラタン・イブラヒモビッチのことである。
 
 EURO2016後、「誇りに思う」と語って代表から離れたイブラヒモビッチだが、その圧倒的な存在を求める声はいまだに根強く残っている。また、当人も「必要とされれば行くし、常に扉は開かれている」と復帰をほのめかす発言をしたことで、「ロシアW杯で電撃復帰する可能性がある」という論調が強まった。

 
 そうした声を現代表指揮官のヤンネ・アンデションは一蹴している。地元メディア『Fotbollskanalen』の取材で次のように断言している。
 
「彼を知っている人が代表復帰を望んでいることは知っているが、私からは接触をしていない。イブラヒモビッチは2016年に代表を引退した。だから彼が代表に戻ることを決めたのなら、彼が私に連絡してくるべきだ」
 
 イブラヒモビッチが代表から退いたEURO2016の終了後からスウェーデンを指揮するアンデションは、それまで頼みの綱だった絶対的な個を失ったチームに組織力を植え付け、立て直しを図ってきた。それだけに本大会でチーム構想を崩されることを嫌っているのだろう。
 
 しかし、そんな指揮官の意向をよそに協会幹部はイブラヒモビッチを歓迎している。同国協会の事務総長を務めるハカン・ソイトランド氏は、「全てにおいて好影響をもたらす」とし、さらに復帰を容認する意向を示した。
 
「イブラヒモビッチはスウェーデン・サッカーのNo.1だ。だから彼をロシアW杯に向けて招集したい。代表チームをオーガナイズするのはヤンネの仕事だ。ただ、我々はイブラヒモビッチと良好な関係を築いていて、いつも話し合っている」
 
 監督と協会幹部で意見が食い違うイブラヒモビッチの復帰動向。はたして、スウェーデンはロシアW杯を現行のチームで戦うのか、それとも英雄を招集させるのか。決断が迫られている。
 
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