まさに大荒れ! 東京V対山形戦の「2度のゴール取り消し」はどこに問題があったのか

2018年03月26日 サッカーダイジェストWeb編集部

一度はゴールを認めるも選手たちの激しい抗議に遭って…

一度認められた山形のゴールに対して、猛然と抗議する東京Vの選手たち。このあと、判定が覆った。写真:田中研治

[J2リーグ6節]東京V 0-0 山形/3月25日/味スタ
 
 日曜日に開催されたJ2リーグ6節、東京ヴェルディvsモンテディオ山形の一戦は、ともに見せ場が少ない拮抗した展開のままタイムアップを迎え、スコアレスドローに終わった。
 
 そのゲームでもっとも会場が沸いたのは、前半にあったふたつのゴール取り消しの場面である。首を傾げざるを得ないシーンが相次いだのだ。

 
 まずは29分、東京Vの攻撃。左サイドから奈良輪雄太の送ったクロスを中央でドウグラス・ヴィエイラが左足ですらし、ファーサイドから抜け出した林昇吾が豪快に蹴り込んだ。林は副審のフラッグが上がっていないことを確認してから、プロ3年目でのJ初ゴールに喜びを爆発させたが、しばらく経ってからノーゴールと判断された。西山貴生主審みずからの判断でオフサイドとジャッジしたのか、無線を通じてマッチオフィシャルや第4審判が意見を加えたのかは定かでないが、認められなかったのだ。当然、東京Vの選手たちは猛抗議。これにはミゲル・アンヘル・ロティーナ監督も苦笑するほかなかった。

 
 続いては36分である。今度は山形が仕掛けた。右サイドをえぐった加賀健一が山なりのクロスを送ると、東京Vゴール前で阪野豊史とGK上福元直人が身体を激しくぶつけ合って競り合う。上福元はボールに触るも捕球に至らず、こぼれ球がゴールマウスへ。ラインを越えたかどうかが微妙なところで井林章がクリアした。副審はセンターマークを指し示し、それに呼応して主審もゴールを認可。これで完結しているはずだった。
 
 しかし、ふたたび東京Vの選手たちの猛抗議に遭うと、西山主審は副審の元へ駆け寄る。数分の押し問答を経て下されたジャッジはゴールの取り消し。詰め寄った山形の木山隆之監督によると主審は、「僕は(キーパーへの)ファウルだと思ったけど、副審のジェスチャーを見て聞きに行った」と説明したという。ゴールライン自体、割っていなかったという意見もあり、お粗末に過ぎるジャッジだった。
 
 件のシーンを映像で振り返るVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の判定であれば、ひょっとしたら納得が行ったのかもしれないが、まだ導入はされていない。両チームに平等に一度ずつ"ゴーストゴール"が生まれたという点を含めて、かなりレアなケースである。ロティーナ監督は試合後、「おそらくふたつとも、主審の判断は正しかった。ただその取り消し方は、両チームにとって不明瞭だったと言わざるを得ない」と、自身の見解を示した。

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