11年ぶりのJ1を目指す東京Vが残した課題。開幕5戦無敗も勝利を逃す現状に指揮官は…

2018年03月22日 サッカーダイジェストWeb編集部

「チームの働きには満足している」とロティ―ナ監督は語る一方で…

勝ち切れない現状にスペインの名将はどのような手を打つのだろうか。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

 またしても、11年ぶりのJ1復帰を目指す名門は勝ち切れなかった。

 21日、J2・5節が行なわれ、東京Vは福岡と対戦。昨季のJ1昇格プレーオフ準決勝で敗れた相手にリベンジを期したが、今回は痛み分けとなった。
 
 まるで真冬のような寒さと季節外れの降雪が影響したのか、東京Vはキックオフからエンジンが掛からない。結局、流れを取り戻せず、前半は0ー0で終了。「前半はいいプレーが出来た印象がありません」とロティ―ナ監督が話したように、後半に向けて不安を残す展開となった。
 
 しかし、ハーフタイムを終えると状況が一変。ホームの東京Vは、前半の戦いぶりが嘘のようなプレーを披露していく。

 ドウグラス・ヴィエイラやインサイドハーフの渡辺晧太、井上潮音などが効果的に絡んでボールを持てる時間も増加。指揮官の交代策もハマり、69分には林昇吾が放ったシュートのこぼれ球をカルロス・マルティネスが押し込んで途中出場のふたりで先制点を奪った。
 
 残りは20分——。後は逃げ切るだけとなったが、88分にエウレーのクロスがスリッピーなピッチの影響もあり、そのままゴールに吸い込まれる不運な形で失点。土壇場で勝点2を逃す形となった。
 
 東京Vは開幕からの無敗記録を5に伸ばしたとはいえ、J2最多タイの3試合目の引き分け。もし、福岡戦で勝利を収めていれば、2位に浮上していただけに悔やまれる結果となった。
 
 そんなチーム状況にロティ―ナ監督は、「このリーグで勝つには難しい試合が続くということを知っている。この状況が続くことを理解し、賢くやり続ける必要があるが、基本的にはチームの働きには満足している」と前向きな言葉を残した一方で、悔しさも滲ませる。
 
 「もし今日勝って終わっていれば、より満足していたと思う」

 CLを経験するなどリーガ・エスパニョーラ時代で実績を積んだロティ―ナ監督が次節以降にどのような策を打つのか。昨季も様々なシステムや左利きの安在和樹(鳥栖)を右サイドバックに配備するなど、驚くような選手起用で状況を打破してきた。多種多彩な引き出しを持つ、名将の手腕に注目が集まる。
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