クルピ監督、遠藤保仁も認める才能!17歳の中村敬斗が出場機会を掴めたワケ

2018年03月21日 金川 誉

クルピ監督は「チームで一番シュートが上手い」と評する

G大阪の主力として活躍する中村。クルピ監督もその実力を認めている。写真:徳原隆元

 今季のJ開幕から1か月経たずして、17歳の高校2年生がピッチに立つことは、もはや驚きではなくなった。
 
 3月18日のG大阪対柏戦。31分に負傷した市丸瑞希に代わって、中村敬斗はトップ下に入った。ピッチに立つと、もはや臆する様子など微塵も見せずにボールを要求し続けた。
 
 しかしこの日は「攻撃のアイデアが、なかなか浮かばなかった」と振り返ったように、決定的な場面に絡むことはできなかった。チームは86分にファン・ウィジョの同点ゴールで2―2の引き分けに持ち込んだが、中村はシュートも0本に終わった。
 
 守備面でのタスクはこなせたという手応えを感じ取った一方で、攻撃面では「相手も僕が前を向いてくる、というのが分かっていて、振り向いた瞬間を狙われた。読まれていたのかな」と語り、悔しそうな表情を浮かべていた。

 今季、開幕から公式戦4連敗と苦しんだG大阪で、中村はハッキリと戦力のひとりとして起用されている。スピードやテクニックという点では、まだプロの中で特別抜きんでたものは見せていない。それでもレヴィー・クルピ監督は、中村を「チームで一番シュートが上手い。そして強いシュートを打てる選手だ」と評している。
 鋭い振り足から放たれる低く、強いシュート。さらにフェイントなど派手な装飾は少ないが、シンプルな切り返しなどでDFの逆を取ってシュートに持ち込むセンスは、ここまでJでも通用していると言えるだろう。
 
 自身のシュートまでのイメージを、中村は「打つ前にはふたつぐらい選択肢が浮かんで、そのなかで感覚的に選ぶ、という感じです。そういう時は、うまくいく時が多いですね」と語る。

 プロ初ゴールを挙げた14日のルヴァンカップ浦和戦。浦和の日本代表DF槙野をターンでかわして右サイドを独走し、最後はペナルティエリア内の右サイドよりから、ゴール右下、ニアサイドに打ち抜きGK西川を破った。

 その前に、自身の左側からコースを消そうと寄せてきた浦和DF阿部の姿をとらえ「阿部さんの股を抜いて、ファー(サイド)というのも考えた」と言う。しかし阿部の足に当たる、というイメージが浮かんだことで、ニアサイドを選択。「抜ける、と思ったので、ニア下に強く蹴り込みました」と振り返っていた。

次ページ遠藤曰く「今もシュートはうまいし、安定してくれば、もっと成長していくと思う」

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