【EL】ザルツブルク、無得点ドローも内容でドルトムントを圧倒! オーストリア勢初の8強入り!!

2018年03月16日 サッカーダイジェストWeb編集部

香川は欠場、南野は出番なし

ドルトムントを圧倒したザルツブルクだが、強烈なプレッシャーで相手に何もさせなかった前半は特に見事だった。写真はファン・ヒチャン(右)とザガドゥ。この試合を象徴する2選手である。 (C) Getty Images

 3月15日(現地時間)、ヨーロッパリーグ(EL)決勝トーナメント2回戦の第2レグが行なわれ、レッドブル・ザルツブルクは0-0でドルトムントと引き分け、合計スコア2-1で準々決勝進出を決めた。
 
 ホームでの第1レグを1-2で落としたドルトムントは、2点を奪って勝つ必要があり、積極性を示しながら守備への意識も保つという難しいアウェーマッチに臨んだ。足首を傷めている香川真司はこの試合も欠場。ザルツブルクの南野拓実はベンチスタートとなった。
 
 試合は立ち上がりから、ともに激しくプレッシャーをかけ合うが、すぐにザルツブルクが主導権を握る。
 
 ホームチームは相手にパスコースを作らせず、FW陣はプレッシングとチェイシングでボールを奪取し、決定機を作る。5分にダブールがザガドゥからボールを奪ってファン・ヒチャンに繋いで決定的なシュート。21分にはパパスタソプーロスのザガドゥへの横パスをファン・ヒチャンがカットし、再びフィニッシュまで持ち込んだ。

 これをブロックしたドルトムントのGKビュルキは、31分にもシュラガーのペナルティーエリア内からのシュートをセーブ。他にも、危険なクロスに飛び込んでコースを変えるなど、最後の砦としての役割を果たし、1点でも失ったら厳しくなるチームを救う。
 
 しかし、フィールドプレーヤーは完全に抑えられ、ボールを前に運ぶことができない。パスコースを封じられてビルドアップすら困難な状況で、スムーズにボールを繋いで敵陣深くまで入れたのは一度だけ。ゴールに最も近付いたのは、ロイスの強引なシュート性のクロスがバチュアイに当たってGKヴァルケの前に転がった44分のプレーだった。
 
 全くも何もさせてもらえなかったドルトムントは、後半の頭からゲッツェ、ロイスを下げてフィリップ、イサクを投入。フィリップは52分にさっそくシュートを放つが、ザルツブルクの猛烈なプレッシングと攻守の連動性による優位は変わらず、流れは変わらない。
 
 56分にも、クロスのクリアを拾ってフィリップがボレーシュートをGK正面に飛ばす。対するザルツブルクは直後に3対1の決定的場面を迎えるが、これはベリシャが無理にシュートを狙って絶好機を逃した。
 
 ザルツブルクはこの後にもドルトムントを押し込んでサイドを攻略してからクロスを入れたり、ダブールがカットインから惜しいシュートを放ったりするが、ここでも守護神ビュルキがポジショニングと反応良さを見せて、これらを阻む。
 
 64分、ドルトムントはロングスローから、イサクが頭で落としたボールをシュメルツァーが詰めるが、これもヴァルケの正面。前半に比べれば、相手ゴールに近付けるようにはなったものの、パスやドリブルで相手の守備をこじ開けるという本来の攻撃からは程遠い。
 
 しかし、69分にイサクがバチュアイからのスルーパスで抜け出してGKと1対1の場面を迎えると、ドルトムントは71分からはフィリップ、シュメルツァー、イサクと連続して決定機を迎えるが、これもヴァルケやザルツブルクDFのブロックに遭ったり、枠を外したりして活かすことはできない。
 
 集中力も運動量も切らさないザルツブルクは、攻撃では少ない人数でも空いたスペースを使ってボールを繋ぎながらフィニッシュまで持ち込み、たびたびアウェーチームのDF陣に冷や汗をかかせる。アディショナルタイムには、ダブールがクロスバーをヒットするシュートも放った。
 
 危なげなく試合を終わらせたホームチームは、2戦を通して内容でもドイツの強豪を上回り、オーストリア勢としてEL初のベスト8入りを果たした。
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