中島翔哉はメッシやハメスになれるか? ハリルホジッチが代表戦士に求めるもの

2018年03月15日 サッカーダイジェストWeb編集部

ハリルホジッチが語った理想像

代表でもクラブでも違いを生み出しているメッシ(左上)とハメス(左下)。ハリルホジッチは会見でこの2人の名前を出し、自身の考えを語った。 (C) Getty Images/滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

「本当にひとりで違いを生める選手をこれからも探していく」
 
 3月15日に今月下旬にベルギーのリエージュで行なわれる国際親善試合のメンバーを発表した日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、来るロシア・ワールドカップに向けた攻撃的な選手の選考における指標を明確に提示した。
 
 65歳の老将が、マリ(23日)とウクライナ(27日)との欧州遠征に臨むうえで選考した攻撃陣の顔ぶれはまさに今、目に見える結果を残している選手たちだった。とくに海外組はその意図が色濃く表れている印象だ。
 
 ドイツ2部ながら4試合連続得点中の宇佐美貴史(デュッセルドルフ)と2018年に入ってからの10試合で4ゴール・5アシストと絶好調の本田圭佑(パチューカ)を復帰させ、さらにポルトガル・リーグで9ゴール・6アシストの中島翔哉(ポルティモネンセ)を初選出させたところにハリルホジッチ監督の意図が汲み取れる。
 
 ハリルホジッチ監督は、次のように選考理由を説明している。
 
「1年前に良かった選手をずっと信頼し続けるのではなく、全員同じことが言えますが、現在良い選手を呼んでいます。この合宿では乾の代わりに3人を呼んでいますが、乾も候補に入っています。それは浅野や井手口にも同じことが言えると思います。
 
 彼らは歴史的なプレーをしてくれました。本当に最終予選ですごく重要な役割を果たしましたが、今どうかということです。現在、何をもたらせるかです」


 
 2014年にアルジェリア代表指揮官としてワールドカップで辣腕を振るったハリルホジッチ。その大会では決勝トーナメント1回戦でドイツに延長戦の末に惜しくも敗れ去った。世界での戦い方を熟知しているだけに日本代表戦士には、熾烈な争いのなかで違いを生み出せる存在を求めている。
 
 会見の朝に行なわれたチャンピオンズ・リーグ(CL)決勝トーナメント1回戦第2レグのバルセロナ対チェルシーの一戦を見たというハリルホジッチ監督は、2ゴール・1アシストと殊勲の働きをしてみせたリオネル・メッシの名前を出して自身の理想を語った。
 
「CLを見ましたが、バルセロナのメッシがいなければあの結果が出せたかどうか。別次元の話で比較はできないかもしれませんが、本当にひとりで違いを生める選手をこれからも探していきます。我々の対戦国にはいます。コロンビアにはハメス、ファルカオ、ポーランドにはレバンドフスキやナポリのミリク。セネガルにはマネがいます。CLで3点も取れる選手たちです。そういった違いを生み出せる選手が日本人も必要ですから、我々はテストして探していかなければいけません」
 
 さらにハリルホジッチは、「本大会は2、3回のチャンスで1点を取らなければならない戦いになるでしょう。だからこそ最も難しい得点を取る選手を探しているわけです」とも訴えている。
 
 今回、クラブでの好調さが評価され、久々の招集を受けた本田や宇佐美。さらに初めてA代表に名を刻んだ中島は、ハリルホジッチの求める"違い"を生み出す存在になれるのか。大いに注目したいところだ。

【日本代表PHOTO】マリ・ウクライナ戦へ向けた招集メンバー26人
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事