「あれは本当に衝撃だった」12戦13発! セネガル代表FW、伝説のラッシュが甦る

2018年03月14日 サッカーダイジェストWeb編集部

チェルシー戦のスーパーゴールが語り草に

プレミアで一大旋風を巻き起こしたパピス・シセ。ニューカッスル・ファンにとってチェルシー戦の鮮烈弾は文字通りの金字塔だ。(C)Getty Images

 猛烈な瞬間風速に、プレミアリーグが揺れた。いまから6年前、2011-12シーズンの後半戦だ。
 
 主役は、ニューカッスル・ユナイテッドのセネガル代表FW、パピス・デンバ・シセ。プレミア公式ツイッターがそのトリビュート動画を公開し、「あれは本当に衝撃だった!」「セネガルの怪人だ」「どのゴールもすごく印象深い」とファンの称賛を浴びている。

 
 ドイツ・ブンデスリーガのフライブルクで活躍していた点取り屋は、冬の移籍市場で新たにスカッドに加わった。1200万ユーロ(約15億6000万円)と移籍金は当時のニューカッスルにしてはなかなかの高額で、世界的に名の知れた選手というわけでもなく、サポーターやメディアはその獲得に懐疑的な目を向けていたものだ。

 ところが──。蓋を開けてみれば、とんでもないビッグタレントだった。

 プレミアデビュー戦のアストン・ビラ戦でいきなり豪快な左足弾を決めると、次から次へと貴重なゴールを積み重ね、なんと12試合で13ゴールと大暴れした。いまでもファンの脳裏に浮かぶのは、そのフィニッシュの質とインパクトだ。持ち前の身体能力を最大限に活かしてアクロバチックなゴールを多く蹴り込み、観る者を大いに楽しませた。
 
 ニューカッスル・ファンにとっての金字塔は、2012年5月2日、アウェーでのチェルシー戦で打ち立てられた。ゴールまで25メートル、右斜め45度の位置から右足アウトサイドでシュート回転をかけて放ったショットは、急激に落下してゴールに突き刺さった。名手ペトル・チェフもノーチャンスなマジカルゴールで、世界をあっと驚かせたのだ。シセは試合後、きょとんとした表情で「なにが起こったのかよく覚えてない。思い切り蹴ったらすごく変化して……決まってラッキーだったよ」と話していた。
 
 一躍、時のひととなった26歳のシセだったが、その後のニューカッスルではいまひとつパッとしない。怪我に見舞われるなど不運もあったが、4シーズンを戦ってゴール数がそれぞれ8、2、11、3と振るわなかった。そして16年夏に中国スーパーリーグの山東魯能に移籍し、現在に至る。
 
 キャリアの絶頂期で放った眩いばかりの輝き。パピス・デンバ・シセもまた、プレミアリーグの歴史に名を残すレジェンドのひとりだ。

次ページ【動画】12戦13発! プレミアに一大旋風を巻き起こしたパピス・シセのファインゴール集をチェック!

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事