日曜日のプレミアリーグ30節、ワトフォード戦を３－０にモノにしたアーセナル。リーグ戦の連敗を３で止め、実に12試合ぶりとなる完封劇だ。さらにメスト・エジルがプレミア史上最速で50アシストをマークし、守護神ペトル・チェフはプレミアでの最多クリーンシート回数を200の大台に乗せた。まさに記録づくめの一戦となったのである。
 
　そしてもうひとつ、ガナーズはワトフォード戦で節目を迎えた。1992年夏からおよそ26年の年月をかけて、プレミアでのホーム1000ゴールを達成したのだ。開始８分にスコドラン・ムスタフィが決めたヘッダーがそれで、マンチェスター・ユナイテッドに続く、プレミア史上２クラブ目の快挙である。

 
　アーセナルの公式チャンネルはさっそくスペシャルムービーを公開。「トップ10、プレミアリーグ・ホームゴール。あなたのお気に入りは？」と題して、選りすぐりの10ゴールを編集したのだ。古い順に、伝説の名手たちの鮮烈弾が流れる。イアン・ライト、デニス・ベルカンプ、パトリック・ヴィエラ、トニー・アダムス、ティエリ・アンリ、ロベール・ピレス、ふたたびアンリ、ロビン・ファン・ペルシ、ジャック・ウィルシェア、オリビエ・ジルー。いずれもハイバリー、エミレーツという新旧の本拠地に刻まれたファインゴールだ。

 

　ピレスの30メートル・ループやジルーのスコルピオンショット、さらにはファン・ペルシの強烈ダイレクトボレー、圧巻のチームプレーから決めたウィルシェアの一発などすべて甲乙つけがたいが、やはりファンが選ぶナンバーワンは、ノースロンドン・ダービーでのアンリのスーパードリブルではないだろうか。ゴールの質、対戦相手とゲームの位置づけ、そしてインパクト。すべてが揃った忘れじの名場面だ。
 
　時は2002年11月16日、トッテナム・ホットスパーとの宿敵対決。その13分、ハーフウェーライン付近で味方のクリアボールを受けたアンリがドリブルを開始する。まず最初のマーカーを振り切るとぐんぐん加速し、最後は眼前の３人の守備者を手玉に取って豪快にゴールに蹴り込んだ。フランス代表FWが60メートルを独走する衝撃のゴールで先制したアーセナルは、ライバルを見事３－０で粉砕したのだ。
 
　レジェンドたちが紡いできた栄光の1000ゴール。これからもロンドンの"大砲"は絶えず火を噴き続け、ホームサポーターに歓喜を運ぶのだ。