【U-21】森保監督も好評価!初招集のガーナ系DFと欧州組アタッカーが持つ無限大の可能性

2018年03月14日 松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

ドイツと海外。両極端な環境によって磨かれた個性とは何か

パラグアイの地で彼らがどのようなプレーを見せるのか注目だ。(C)Getty Images、写真:滝川敏行(サッカーダイジェスト写真部)

 U-21日本代表のパラグアイ遠征メンバーで注目を集める選手がいる。伊藤達哉とアピアタウィア久だ。
 
 伊藤は現在ハンブルグ(ドイツ)に所属する気鋭のドリブラー。柏のU-18から高校3年生の夏に渡独すると、武器であるスピードを生かした仕掛けで評価を高めてきた。

 今季の前半戦にブンデスリーガデビューを果たし、その活躍が認められて2021年まで契約を延長。現在は残留争いに巻き込まれる厳しいチーム事情もあって出場機会は限られているが、そのポテンシャルは目の肥えたハンブルクサポーターも認めるところだ。
 
 昨年の段階でU-21日本代表の森保一監督の構想にも入っていたようで、「去年、実際にプレーしているところを見てきました。その後も映像で彼のプレーをチェックし、我々の代表に入れる選手として注視してきました」という。
 
 とりわけ、指揮官が期待しているのは仕掛けの部分だ。

「彼に期待しているのは、前線でボールを受けて、そこから貪欲に相手のゴールに向かっていくこと。目の前に相手がいても、そこを何とか突破してチャンスにつなげていく。本当に貪欲な姿勢を示せる選手だと思うので、攻撃のところで魅せてもらいたいと思います」と伊藤への評価を口にした。
 
 一方、流通経済大のアピアは190センチの体躯を生かした競り合いの強さとスピードがウリの守備者。

 ガーナ人の父から受け継いだ身体能力の高さを武器に、森保監督も視察に訪れていた昨年12月の大学選手権で1年生ながらチームの優勝に貢献した。

 とはいえ、全国的にはまだまだ無名の存在だ。高校3年時に選手権出場を果たした東邦高(愛知県)でレギュラーを掴んだのは最終学年の夏。それ以降のプレーぶりが認められ、大学進学を勝ち取った。
 
「CBやウイングバックで起用できるかなという印象を持っています。去年の大学のインカレの時は右SBで出場していたと思いますが、視察の段階ではCBもやっていた。守備で持っている当たりの強さとか厳しさから攻撃に転じていけるところを我々のチームでも出してもらいたい」(森保監督)

 指揮官もアピアの潜在能力に太鼓判を押している。初の代表活動で経験を積み重ねれば、大化けする可能性は十分にあるはずだ。
 
 海外で台頭したアタッカーと大学で才能を磨くDF。異なる経歴を持つ両者だが、共通していることはこの代表での実績が"ゼロ"ということだ。彼らがここから、どのようにアピールし、代表での存在感を高めていくのか。東京五輪への道を切り開くべく、このパラグアイ遠征(19~28日)に挑むふたりの活躍を注視したい。

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