「負けたのはエメリじゃなくパリSG」 エムバペがCL敗退で集中砲火を浴びる指揮官を擁護

2018年03月12日 サッカーダイジェストWeb編集部

不満を訴えるサポーターにも理解を示す。

エムバペはエメリ監督(左)を擁護するが、第1レグでの采配ミスによりパリSGのポジティブな流れが失われたのは事実。続投は困難か。(C)Getty Images

「指揮官の進退を決めるのは、クラブのフロントの仕事であって、選手ではない」というキリアン・エムバペのこのコメントは、もっともなものだ。

 チャンピオンズ・リーグ(CL)の決勝トーナメント1回戦でレアル・マドリーに敗れ、ベスト16敗退に終わったパリ・サンジェルマンの周辺では、ウナイ・エメリ監督の進退について騒がれている。

 現地時間3月10日のリーグ・アン第29節で川島永嗣所属のメスに5-0と大勝した試合後、エムバペはミックスゾーンで報道陣に指揮官の今後について「知らない」と述べた(『ESPN』より)。

「僕はディレクターじゃない。僕次第じゃないんだ。監督とはよく分かり合っている。非常に優れた指揮官だ。すべては首脳陣が決めることだよ。それが彼らの仕事だからね。僕の仕事はピッチでプレーすることだ」

 サポーターはエメリ監督にブーイングを浴びせ、不満を露にしている。エムバペは「僕らがサポーターやみんなをがっかりさせてしまったことは、周知のとおりだ」と、ファンの言動に理解を示した。

「彼らが満足していないのは普通のこと。僕らに大きなことを期待していたし、落胆しているんだよ。でも、彼らはスタジアムに来て、僕らをサポートしてくれた」

 
 そしてエムバペは、「これは僕の意見だけど」と前置きしたうえで、「監督だけの責任じゃない、僕らみんなに責任がある。CL敗退はチーム全体で受け止めるべき」と述べた。

「ファンは監督にブーイングすることを選んだ。それは、僕らみんなにブーイングしているということだ。僕らは一緒に負けたのだからね。負けたのはエメリ監督じゃなく、パリSGなんだ」

 大切なのは、先に進むことだ。エムバペは、「(マドリー戦の)第2レグの前に、自分たちになにが欠けているのかは分かっていた。そして今回の結果により、それが僕らの欠点であることが確認できた」と語り、さらに向上しなければならないと続けている。

「僕らはハードワークすることで、それらを改善していかなければならない。敗退したことが重要じゃないとは言っていない。もちろん重要なことだ。でも、毎シーズン同じ過ちを繰り返すことのほうが問題だ」

 そのために必要なことのひとつは、精神面の強化と考えているようだ。エムバペは、「サッカー的なこと以上に精神的なことだと思う」と語る。

「マドリーは僕らに、単なるトップクラスの選手と真のチャンピオンの違いを示してくれた。僕らは学んでいく。すでに学んだけど、次は同じ過ちを避けなければいけない。まずは今シーズンをできるだけいい形で終えないと」

 その「次」の機会まで、エメリ監督がチームに残っているかは分からない。
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