【磐田】複数の実力者が鎬を削る――。ボランチの激しいポジション争いを制するのは誰だ?

2018年03月12日 梶山大輔(サッカーダイジェスト)

『田口と上原のコンビは組み合わせが良い』

パスセンスが売りの田口(左)と推進力が自慢の上原(右)。FC東京戦では、ともに攻守で効いていた。(C) J.LEAGUE PHOTOS

[J1リーグ3節]磐田2-0FC東京/3月10日/ヤマハ
 
 待望の今季公式戦初勝利を飾ったFC東京戦は、立ち上がりからポゼッションを強め、試合の主導権を握った。その中心にいたのが、田口泰士と上原力也のダブルボランチだ。
 
 展開力に優れる田口がボールを上下左右に散らし、縦への推進力に優れる上原が前線への飛び出しでアクセントをつける。お互いがバランスを取りつつ、局面を前に進める様はとてもスムーズだった。特に昨季終盤に存在感を示し、評価を高めた上原にとっては、定位置確保へ向けて大きなアピールとなっただろう。
 
 実際、名波監督もふたりの出来についてポジティブな評価を下している。
 
「キャンプから『田口と上原のコンビは組み合わせが良い』と秀人(鈴木/ヘッドコーチ)と話していた。前後の関係性、立ち位置をお互いが探りながらやってくれた。非常に良かったのではないかと思う。(ふたりとも)課題はあるが、次節以降に繋がるはずだ」
 
 ただ、田口と上原のコンビが次節以降もスタメンである保証はどこにもない。他にも実力者が控えているからだ。
 
 例えば、攻守両面で貢献が期待できるムサエフ。開幕から2試合連続で先発したものの、本来のパフォーマンスとは遠く、いずれの試合でも後半途中でピッチから退いた。FC東京戦ではベンチスタートだったが、83分に登場するとその6分後に貴重な追加点をゲット。昨季のレギュラーが意地を見せた。
 
 また、川崎との開幕戦でムサエフとコンビを組んだ山田大記もキャンプから好調を維持している。2列目が本職とはいえ、ボランチでのプレーも遜色はない。今後も中盤の底で起用される可能性はあるだろう。
 
 次戦の相手は、開幕3連勝と絶好調の広島。城福新監督の下、ソリッドなサッカーで勝ち星を積み重ねている。今もっとも勢いのあるチームだけに、難しい展開になることが予想される。
 
 となれば、守備力に長けたムサエフをスタートから起用するか。それとも、良いイメージを残した田口&上原のコンビで臨むか。はたまた、経験値の高い山田を使うか。最大の激戦区であるボランチのポジション争いから目が離せない。
 
取材・文●梶山大輔(サッカーダイジェスト編集部)
 
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