C・ロナウドの豪快な2発でマドリーが粘るエイバルに辛勝。乾は多くの決定機に絡んだが…

2018年03月10日 サッカーダイジェストWeb編集部

明暗を分けた「ゴール前の決定力」

絶好調のC・ロナウドは右足と頭で2ゴールをゲット。リーガでは直近の10試合で14ゴールを奪っている。(C)Getty Images

 現地時間3月10日に実施されたリーガ・エスパニョーラ28節、エイバル対レアル・マドリーの一戦は、アウェーのマドリーが2-1で勝利。敗れはしたものの、エイバルの日本代表MF乾貴士は87分までプレーし、得意のドリブルなどで多くの見せ場を作った。

 世界屈指のスター軍団相手にも臆することなく立ち向かうエイバルの選手たちのアグレッシブな姿勢に、本拠地イプルーアのスタンドを埋めたエイバルのファンは、およそ1か月前に開催されたバルセロナ戦を思い出していただろう。

 高い位置からプレッシャーをかけ、奪ったら手数をかけずにフィニッシュに持ち込む攻撃スタイル、わずかにボールポゼッションで相手をリードする展開、そして前半を終えた時点の0-1というスコアも、すべてがバルサ戦と同じ。サイドを起点に小気味いい攻撃を繰り返し、そのたびにゴール前に決定力のあるFWがいれば……と頭を抱えるファンの仕草までもがよく似ていた。

 
 バルサ戦と違ったのは、後半開始直後にセットプレーから同点弾を叩き込んだことだ。50分、キックの名手ペドロ・レオンが蹴ったコーナーキックは、CBイバン・ラミスの頭を経由し、力強くマドリー・ゴールに突き刺さった。

 最後尾では、エイバル守護神のマルコ・ドミトロビッチがスーパーセーブでC・ロナウドの強烈なシュートを二度ストップし、中盤ではダニ・ガルシア、ゴンサロ・エスカランテ、ジョアン・ジョルダンの3センターハーフが、イスコとトニ・クロースにほとんど仕事をさせなかった。

 また、定位置の左サイドに入った乾の活躍も忘れてはいけない。後方のホセ・アンヘルや1トップに入ったキケ・ガルシアとのコンビからたびたび決定機を演出し、ゴール前にも果敢に顔を出した。序盤のアンデル・カパからのクロスはタイミングが合わず、76分のダイビングヘッドはゴール上に外れたが、この日は得点を予感させるようなプレーが多く、次節以降に向けて大きな自信となったはずだ。

 一方のマドリーは、パリでの激闘から中3日という過密日程の影響からか、全体的に動きが重かったものの、少ないチャンスを確実にモノにするあたりはさすが。19節までわずか4ゴールしか奪えていなかったC・ロナウドは、この日の2ゴールでリーガにおけるゴール数が18に。得点ランキングのトップを走るリオネル・メッシ(24得点)の背中が、ぼんやりとだが見えてきた。
 
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