少なくとも現時点では、プレミアリーグ随一の高給に見合った活躍を見せているとは言えないだろう。

　ヘンリク・ムヒタリアンとのトレードで、冬にアーセナルからマンチェスター・ユナイテッドに移籍したアレクシス・サンチェスは、新天地で公式戦８試合に出場し、まだ１ゴールしか挙げていない。

 

　だが、ジョゼ・モウリーニョ監督は、シーズン途中の移籍でチームに適応するのは困難との理由から、ある程度はやむを得ないと考えているようだ。英紙『Guardian』によると、このポルトガル人指揮官は「冬のマーケットという最悪のタイミングで来たのが間違いだったんだ」と述べた。

「だから、私は冬のマーケットがあまり好きじゃないんだよ。逃したくないチャンスだと考え、我々はそれ（冬のマーケットでの獲得）を実行した。だが、我々はあまり冬の補強を信じていないんだ。来シーズンはもっと良くなるだろう。いま彼はウチでのプレーを学んでいるところで、我々も彼からベストを引き出すことを学んでいるところだ」

　そのうえでモウリーニョ監督は、「彼は責任を負うことを恐れず、トライすることを恐れない」と、サンチェスの姿勢に不満はないと強調している。

「ミスをすればすぐにボールを奪い返そうと戻り、素晴らしいスピリットで挽回しようとする。我々はとても満足しているよ」

　サンチェスの加入がチームの他の選手に影響を及ぼしているという外野からの指摘もあるが、モウリーニョ監督は「それが弱さだとは考えていない。成長できる大きなポテンシャルだと考えている」とコメント。「彼ら（識者や評論家）の一部は、自分が監督をしていたときに問題を解決することができなかった。だから、すべてに対して自分に解決策があるかのように意見を言うんだ」と、評論家の意見は気にしないと続けた。

「（批判を）見聞きすることも、しないこともある。今週はそういう意見よりも、チャンピオンズ・リーグやヨーロッパリーグを、そして自分の試合への準備をより楽しんだ」

　とはいえ、冬のマーケットで大きな注目を集めたサンチェスだけに、今後も成績や周囲への影響が取りざたされるのは避けられない。

　モウリーニョ監督が言うように、来シーズン以降の飛躍に期待すべきなのか、それとも伝統の背番号７を背負ったチリ代表ストライカーは、今シーズンのうちに前評判にふさわしい活躍を見せてくれるのか。