アルゼンチン時代に通算9得点!千葉の異色GKに聞いてみた「日本でもPKを蹴りますか?」

2018年03月08日 松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

PKキッカーを務めるようになったきっかけは?試合中の雑談から…

GKスキルと良質な左足のキックに加え、機動力も併せ持つ。千葉の守護神として日増しに存在感を高めている。写真:田中研治

 今季、J2の千葉に話題を呼びそうなGKが加わった。
 
 ディエゴ・マティアス・ロドリゲス。正確な左足のキックと卓越したGKスキルが武器のアルゼンチン人だ。
 
 ロドリゲスはロサリオ・セントラル(アルゼンチン)から今季千葉に加入したばかりの28歳。「エスナイデル監督のような戦術を好む監督は過去にいたし、そうではない監督もいた。ただ、そういうタイプの監督の下でプレーをしていたので、大きな驚きはなかったですね」と本人が話すように、同朋のエスナイデル監督が志向するハイライン&ハイプレス戦術への対応も問題はない。
 
 最終ラインの背後に出来る広大なスペースは果敢な飛び出しでケア。状況を見極め、ヘディングやスライディングでクリアする機会も多い。開幕からの2試合で実力を証明し、日増しに存在感は大きくなっている。
 
 では、彼の何が話題を振りまくというのか。それはGKながらPKで通算9得点を挙げているからだ。PKやFKから数多くのゴールを決めた元パラグアイ代表のチラベルト、元ブラジル代表のロジェリオ・セニらと同様に、フィールドプレーヤー顔負けのキックセンスでネットを揺らしてきた。

 ロドリゲスがPKを蹴り始めたは今から7年前の2011年。仲間からの助言がきっかけだったという。

「試合で起こったシーンが理由なのですが、それまで蹴っていた選手がGKの僕に『お前が蹴れよ』という風に言ってくれたんです。それ以来、PKの場面になると『打てよ』と言われるようになりました」
 
 それまで特に蹴る場面はなく、自身も特別なこだわりを持っていなかったなかで託されたPK。以降はペナルティスポットに向かい、ゴールを積み重ねてきた。
 
 となると、注目されるのはJリーグでもPKを蹴るのかという点だ。最後に本人へ聞いてみると、少し意外な答えが返ってきた。

「ラリベイがいます。彼の調子は良いですし、自分が蹴る必要性はないでしょう」

 ラリベイがいる以上は、自らキッカーを務めることはないというのだ。エースがいなかった場合に関しても、「彼が試合に出ていなかったとしても、特に打つ必要がなければ、蹴らなくていいかなと思います(笑)」と自重する構えを見せており、現時点ではJリーグでPKを蹴る機会は限られそうだ。

 しかし、キッカーを務めるのであれば、多方面から熱い視線を送られるのは間違いない。26年目を迎えたJリーグにおいて、試合中にPKを決めたGKは1996年にネットを揺らした当時浦和の田北雄気(現横浜FC GKコーチ)のみ。最後尾で守備を支える異色のGKが、22年ぶりに偉業を成し遂げるかどうかも、今季の千葉を見る上でひとつの楽しみになりそうだ。

取材・文●松尾祐希(サッカーダイジェストWeb編集部)

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