「監督だって責任を負わないと…」アーセナル主将が苦境のチーム状況に物申す

2018年03月05日 サッカーダイジェストWeb編集部

怒れるファンには団結を促す。

ヴェンゲルを恩師として慕っているからこそ、コシエルニーはあえて注文を付けた。 (C) Getty Images

 1990年代後半から2000年代初頭にかけて、まさに黄金時代を築いたアーセナルが、転換期を迎えようとしている。
 
 現地3月4日、プレミアリーグは第29節が行なわれ、アーセナルは、昇格組のブライトンに1-2と敗戦。これで2002年以来、16年ぶりの公式戦4連敗となり、チームは来シーズンのチャンピオンズ・リーグ出場圏内の4位(トッテナム)と勝点差「13」の6位と、完全にぬかるみにはまってしまっている。
 
 そうした状況にファンは当然、怒りを爆発させている。ブライトン戦のスタンドには、『Wenger Out』という指揮官のアーセン・ヴェンゲルに退任要求を突き付けるボードが目立った。
 
 シーズン開幕前に新たに2年契約を締結したフランス人指揮官だったが、1997年の就任から約22年が経ち、いよいよ、クラブを離れる時が迫っているのかもしれない。


 
 では、日々、ヴェンゲルの近くで戦っている選手たちはチームの現状をいかに考えているのか? その想いの丈を素直に打ち明けたのは、チームキャプテンでもあるフランス代表DFのロラン・コシエルニーだ。
 
 チームの精神的支柱でもある32歳のベテランDFは、ブライトン戦の直後、英国国営放送『BBC』の取材に対して、「誰かに責任を押し付けることはできない」と前置きしつつも、次のようなコメントをこぼしている。
 
「それが監督の責任なのか? それとも僕らの責任なのか? それは難しい。だけど、ピッチで選手たちは責任を持たなくてはいけないし、それはボス(監督)だって同じだ。彼も責任を負わなくてはいけないよ」
 
 2010年夏にロリアンからアーセナルに引き抜かれて以来、主力として起用されてきたコシエルニーにとってヴェンゲルは、まさに恩師だ。それゆえにフランス代表DFは、「ボスはこのクラブで最善を尽くすためにいる。彼は20年間もそれをやってきたし、いつだってアーセナルを愛しているよ」と、指揮官へのリスペクトは忘れていない。
 
 尊敬してやまないヴェンゲルに対する意見というのは、コシエルニーにとっても、特別なはずだ。3月3日に選手たちだけでの緊急ミーティングを開いたというコシエルニーは、「誰一人として欠けちゃいけない」と団結を訴えたという。
 
「僕たちは団結しなきゃいけない。今は最悪な時期だ。だけど、選手、スタッフ、そしてファン、このクラブを愛している人たちで一緒になって、できるだけ高いレベルで戦わないと本当にダメになる」
 
 心が離れつつあるファンに共闘を促したコシエルニーの声は、ヴェンゲルの手腕を非難する人々へ響くのか。いま、アーセナルが岐路に立たされている。

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