悲しみに暮れるフィオレンティーナ会長 「アストーリとはこの月曜に契約を延長する約束だった…」

2018年03月05日 サッカーダイジェストWeb編集部

「彼は真のキャプテンだった」

31歳の若さでこの世を去ったアストーリ。偉大なキャプテンとの突然の別れに、フィレンツェの街は大きな悲しみに包まれた。(C)Getty Images

 悲劇は、夢が叶う直前に起きてしまった。現地時間3月4日、遠征先のホテルで急死したフィオレンティーナのDF、ダビデ・アストーリ(享年31)は、5日にクラブと新たな契約を結ぶ予定だったという。

 アストーリ急逝の知らせに、イタリア・サッカー界は深い悲しみに包まれた。とりわけ、所属先のフィオレンティーナの選手や関係者のショックは言うまでもない。イタリア『Sky Sports』の取材にアンドレア・デッラ・ヴァッレ会長は、「我々にとって計り知れない悲劇だ」と辛い胸中を明かしている。

 
「この悲しみをどう言い表わしていいかわからない。パートナーのこと、ご家族のこと、ご両親のこと、我々のこと、そして選手たちのことを考えてくれ。みんなが打ちひしがれている。他に言うことはあまりない」

 必死に涙を堪えながら話すデッラ・ヴァッレ会長は、フィオレンティーナでの引退を望んでいたというアストーリが、新契約にサインする目前だったことも伝えている。

「ウチに来て4年、この月曜(5日)に契約を延長するはずだった。本当はもっと前に延長するはずだったんだが、(最近の)雪の影響で先送りになってしまって、月曜にという約束を交わしていたんだ。彼にとって、最大の喜びになるはずだった。ここフィレンツェでキャリアを終えられるはずだったんだ」

 デッラ・ヴァッレ会長は「つねにチーム全体の基準だった」と、キャプテンだったアストーリが、いかにチームを気にしていたかを語った。

「私はしばらくチームを見ていなかったから、ボローニャ戦(2月4日)の前に彼と話をして、いろいろ聞いたんだ。30分ほど話して、彼は新しい選手の特徴やチームのプロジェクトについて説明してくれた。監督のように、スポーツディレクターのように話していたよ。彼がリーダーであることを深く自覚していたのは明らかだった」

 ショックは計り知れない。だが、デッラ・ヴァッレ会長は、「本当に大変で難しいことだが、我々は前進しなければならない。少し待たなければいけないが、選手たちにここから立ち上がる力があることを願っている。アストーリのために、そして彼の家族のためにもね」と続けた。

「彼が恋しくて仕方がない。おそらく、クラブ内のすべての人間が、そしてフィレンツェの街全体が私と同じ気持ちだろう。彼は真のキャプテンだった。本当に特別なものを持っていた。いまはただ、そばにいることだけをお願いしたい。とくに彼のご家族のそばに」
 

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