中田英寿氏が衰退傾向のイタリア・サッカー界へ変革を求む「現状は残念」「変わるべき時」

2018年02月28日 サッカーダイジェストWeb編集部

代表復帰のブッフォンへもメッセージ。

セリエAが隆盛を誇っていた90年代後半から2000年代前半に、ローマやパルマといった強豪チームで活躍した経験を持つ中田氏。それゆえにイタリア・サッカー界の現状を厳しく見ているようだ。 (C) Getty Images

 カルチョで奮闘した経験を持っているカリスマだからこその言葉だった。
 
 世界のジャーナリストの投票で決定される由緒あるアウォード、『ローレウス世界スポーツ賞』のプレビュー式典がモナコで行なわれ、元日本代表MFの中田英寿氏がメディアインタビューに登場。そのなかで、現役時代の最も長い時期を過ごしたセリエA、そしてイタリア・サッカー界への自身の考えを明かした。


 
 イタリアは、代表チームが昨年11月のロシア・ワールドカップ欧州予選プレーオフでスウェーデンに敗れ、1958年のスウェーデン大会以来60年ぶりに本大会出場を逃すなど、サッカー界全体が衰退していると指摘されて久しい。
 
 その要因は一概には言えないが、1998年の夏にペルージャに加わってから約7シーズンに渡り、セリエAで「アジア人最高のフットボーラー」と称賛を浴びた中田氏は、イタリアのワールドカップ敗退を「正直、予想だにしてなかった。驚いた」と話したうえで、サッカー界全体の改革を提唱した。
 
「セリエAやイタリア・サッカー協会が変わるべき時期なのかもしれない。(協会が)どういう動きをしているか知らない。だけど、目標を成し遂げられなかった時に何かを変えるのは普通のことでしょう。僕はセリエAの最盛期のひとつと言える時期にプレーしていたけど、イタリア・サッカーの現状を見ると残念に思う」
 
 また中田氏は、同時期にセリエAでプレーしたこともあり、40歳を迎えた今も一線級で活躍しているユベントスの守護神ジャンルイジ・ブッフォンについても言及している。
 
 前述のワールドカップ敗退後にイタリア代表からの引退を公表していたブッフォンだったが、2月27日に「代表への忠誠心と責任感を示す」と代表復帰を明言。それでも、現役生活からの引退時期については、明確な考えをいまだ示していない。
 
 そんなブッフォンについて記者から問われた中田氏は、「僕は29歳で引退したから、アドバイスできる立場にないけど(笑)」と笑いを交えつつ、「ブッフォンの気持ち次第だと思う。僕たちは外部から好きなことを言えるけど、現役を続けるかどうかは、彼自身にしか分からないことだよ」と一つ年下の名GKに対する考えを示した。

祝40歳! 歴史的名GKブッフォンの偉大な軌跡

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