闘将シメオネが中国市場に噛み付いた「移籍期間が2か月もあるなんて長すぎるだろ!」

2018年02月25日 サッカーダイジェストWeb編集部

移籍濃厚のカラスコに加えてトーレスにも触手が

2月下旬になても移籍の噂が絶えず、チーム作りに支障をきたしている。シメオネ監督の怒りはもっともだが、東アジア各国リーグは春秋制のカレンダーゆえ、期限を統一するのは難しいだろう。(C)Getty Images

 アトレティコ・マドリーのディエゴ・シメオネ監督が、イライラを募らせている。
 
 現地時間2月25日のリーガ・エスパニョーラ25節、セビージャ戦を控え、記者会見に臨んだアルゼンチン人指揮官が、「フェアではない」と苦言を呈した。2月28日まで移籍市場がオープンしている中国スーパーリーグに対してで、今季2部から昇格した大連一方が所属する2選手の釣り上げに本腰を入れているからだ。
 
 スペイン紙『AS』が報じたところによると、大連はベルギー代表MFヤニック・カラスコの引き抜きに3000万ユーロ(約39億円)を用意し、正式契約寸前だという。敵地セビージャでの一戦に臨む遠征メンバーから、すでにカラスコは外れている。さらに大連はクラブのアイコンであるフェルナンド・トーレスの獲得にも躍起で、こちらは今シーズンいっぱいで現行契約が切れるボスマン・プレーヤーのため、超高額の年俸を提示。一気に周辺が騒がしくなっているのだ。1月末に欧州市場が閉まっても中国市場が積極攻勢を掛けてくる現状に、指揮官がモノ申したのである。
 
「本当に大きな金が動いていて、心配の種だ。ワールドカップが迫っていることも考えれば、監督にとって心地良い状況ではない。まだなにが起こるか分からないからね。選手や代理人が将来をどうすべきかを考える時間が長すぎるんだ。2か月もあることになる。移籍市場の期間は共通で合わせるべきだよ」

 
 渦中の2選手については、こんな見解を示している。
 
「カラスコは確かに交渉中で、フェルナンドについてはそういう話があるとは(クラブから)聞いていない。いずれにせよ、いまや中国市場は選択肢のひとつになったということだ。もはや驚きではないし、私自身が選手個人の去就について首を突っ込むつもりはない」
 
 昨年10月に膝を傷めて離脱したカラスコ。復帰後は思うようにスタメン出場を果たせていないものの、リーガとヨーロッパリーグを戦うアトレティコにとって、重要な戦力であることに変わりはない。トーレス同様、引き抜かれても代わる選手を獲得できないもどかしさが、シメオネ監督の中にあるのだろう。
 
 強化オペレーションが立ち遅れていた2部王者・大連は、ここに来て攻勢に出ている。2月22日にリエカから元クロアチア代表MFマテ・マレシュを獲得すると、その翌日にはウェストハムからポルトガル代表CBジョゼ・フォンテを600万ユーロ(約7億8000万円)で買い叩いた。目下、さらなる補強に邁進中だ。
 
 はたして残り3日で、どのような結末を迎えるのだろうか。ちなみに2018Jリーグの選手登録期限は、3月31日までとなっている。
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