【湘南】「これで有頂天にはなれない」石川俊輝が決勝ゴールを決めても冷静でいる理由

2018年02月25日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

2016年が石川にとってひとつのターニングポイントに。

5年目を迎えた石川が、開幕戦で幸先の良いシーズン初ゴールをマーク。今季に懸ける想いの強さを口にした。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ1節]湘南2-1長崎/2月24日/BMWス
 
 湘南ベルマーレがJ1開幕節の長崎戦に勝利し、上々のスタートを切った。1-1で迎えた80分に、値千金の決勝ゴールを決めたのは、石川俊輝だった。
 
 石川は、アレン・ステバノヴィッチに代わって後半から途中出場
「出ている選手のパワーに負けないで、むしろそれ以上のパワーを持って入ることを強く意識していましたね。出た時になんで交代したんだと思われてしまうので。積極的に行こう、と思っていました」
 前半はベンチで戦況を見守りながら、交代に備えてそう気持ちの準備をしていたという。
 
 ゴール前で構え、FKのこぼれ球にいち早く反応して挙げた決勝点は、まさに攻撃的な姿勢が表われたものだった。「やっとJ1で点が取れた。40試合以上かかりました。入って良かったです」と試合後には喜びを口にする。J1通算47試合目でようやく決めたゴールだった。
 とはいえ、「これで有頂天にはなれない」と落ち着いている。「そんなにJ1は甘くないことを、これまで痛感させられている」からだ。2015年、16年をJ1で戦った石川にとって、とりわけ16年シーズンは、ひとつのターニングポイントとなった。プロ3年目で主力へと成長を遂げ、キャリアハイの31試合に出場したシーズンだ。
 
「一昨年はシーズンを通して出れた。でも、そのせいでどこか浮ついているというか、気持ちの部分でもまだまだ未熟だった。結果的にJ1の舞台で何もさせてもらえなかったことが心に残っている」
 チームはその年、J2に降格した。レギュラーの座を掴んだ一方で、勝利に貢献できなかったもどかしさもあるのだろう。
 
 それだけに、"3度目の挑戦"となる今季に懸ける想いは相当に強い。
「一昨年の経験は大きい。その時の悔しさを繰り返さないために、より強い気持ちを持ってやりたい」
 
 昨季は、意識的にゴール前へと飛び出す動きを増やしてプレーの幅を広げると、J2でプロ初ゴールも決めた。"ここぞ"という場面で決定機に絡む攻守に働ける選手へと進化を遂げた。満を持して挑む再びのJ1の舞台、石川は"リベンジ"に燃えている。

【湘南 2-1 長崎 PHOTO】湘南が昇格組対決を制す!
 
取材・文●多田哲平(サッカーダイジェストWEB編集部)

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