【神戸】バルサ・スタイルは実現するのか? 渡邉千真が語る課題「ルーカスは後ろでボールを受けるが…」

2018年02月24日 梶山大輔(サッカーダイジェスト)

「前線の枚数が足りなくなってしまう側面もある」

左サイドハーフとして先発出場した渡邉(左)は、ポドルスキ(右)との関係性に課題を感じているようだ。写真:徳原隆元

[J1リーグ1節]鳥栖1-1神戸/2月23日/ベアスタ
 
 今季の神戸は、新しいスタイルに取り組んでいる。ポゼッションで崩す"バルサ・スタイル"の実現――。これまで堅守速攻が武器だったクラブが、大きな転換期を迎えているのだ。
 
 しかし開幕戦を観る限りでは、スタイルの転換には時間がかかりそうに思える。前半はボランチの位置まで下がるポドルスキにボールを集めたが、連動性を欠き、チャンスらしいチャンスを作れなかった。そして後半は、シンプルなロングボールとクロスで攻め込み、何とか1点をもぎ取った。明らかに後半の方が機能していたが、理想とする形ではない。
 
 在籍4年目を迎え、前線で様々な役割をこなしてきた渡邉千真は「正直まだまだ時間はかかると思う」と率直に語りつつ、"コンビネーションの確立"が鍵を握ると分析する。
 
「後ろではボールを握れるが、結局前に行けていない。コンビネーションやチームとしての狙いをはっきりさせて、シュートまでの形を増やさないといけない」
 冷静に課題を分析する渡邉は、前線でともにプレーする背番号10との関係性についても
改善の余地があると言及する。
 
「ルーカス(・ポドルスキ)はチームのために後ろでボールを受けてくれているが、前線の枚数が足りなくなってしまう側面もある。もう少し前目のポジションを取ってくれた方が良いのかなという思いはある。加えて、ルーカスが下がった時に他の選手が前線へ出ていくことも必要。常にチームとしてそういった話をしているし、(ルーカスにも)要求しないといけない」
 
 もっともポドルスキ本人も「後ろでボールをつなぐのも役割だし、前に行くのも役割」とどちらの仕事もこなすことは理解している。あとはチームとしてポドルスキをどう活かし、どのように得点を奪うか。開幕戦では、後半途中からハーフナーとウェリントンが2トップを組み、ポドルスキがトップ下に入る超攻撃的布陣が採用された。前線の最適な組み合わせを含め、次節以降の戦いぶりは要注目だ。
 
取材・文●梶山大輔(サッカーダイジェスト編集部)
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