【CL】マンU、想定内のスコアレスドロー。ホームの第2レグに向けて確かな手応え

2018年02月22日 サッカーダイジェストWeb編集部

押し込まれる展開にもモウリーニョは動じず。

ボールをセビージャに預け、カウンター狙いのサッカーに徹したユナイテッド。この83分のルカク(右)のゴールが認められていれば文句なしだったが、それでも第2レグに向けて確かな手応えをつかんでいる。(C)Getty Images

 現地時間2月21日に実施されたチャンピオンズ・リーグ決勝トーナメント1回戦第1レグ、セビージャ対マンチェスター・ユナイテッドの一戦はスコアレスドローに終わった。

 数字の上では完全にセビージャのゲームだった。総シュート数はユナイテッドの6本に対して25本、ボールポゼッションは54%だった。それでも圧倒的優位に立っているという印象に欠けたのは、敵将ジョゼ・モウリーニョの落ち着き払った態度と、相手の守護神ダビド・デ・ヘアの存在にあったのかもしれない。

 セビージャにおもしろいようにボールを回され、押し込まれる展開が続いても、モウリーニョはベンチにどっしりと腰をかけたまま動かなかった。穏やかな表情すら浮かべていた。フランコ・バスケスがスルーパスに抜け出したシーンも、右SBで起用されたヘスス・ナバスが内に切れ込んで豪快にシュートを放った場面も、ルイス・ムリエルが右からのクロスを至近距離でヘッドで合わせたときでさえも……。すべては想定済み。そう言わんばかりの態度だった。

 そのムリエルの至近距離からのヘッドを難なく弾いてみせるなど、好セーブを連発したのがユナイテッドのスペイン人GKデ・ヘアだ。スーパーセーブを決めても興奮せず、平然とプレーを続けるその佇まいは、セビージャの選手とサポーターにとってかなり不気味に映ったはずだ。

 前半から通してボールはセビージャが支配し、ユナイテッドは前線のロメル・ルカクの強靭な肉体を利用したポストプレーだけが頼みのシンプルな攻撃を繰り返す。それでもセビージャDF陣にとっては十分脅威だったが、アウェーチームがようやく前掛かりになったのはラスト10分だった。

 モウリーニョはアレクシス・サンチェスとファン・マヌエル・マタに代えて、マーカス・ラッシュフォードとアントニー・マルシアルを75分と80分に投入。これでワイドな攻撃が見られるようになったユナイテッドは83分、ルカクが鋭い反転からのシュートでゴールネットを揺らした。ハンドの反則により認められなかったものの、このゴールが決まっていれば、モウリーニョにとってはまさしく狙い通りの展開になっていただろう。

 結局最後までスコアは動かなかった。それでも3月13日に開催予定の第2レグに向けて手応えをつかんだのはユナイテッドとモウリーニョだろう。セビージャは押し込みながら無得点に終わったこのホームゲームを、のちに悔やむことになるかもしれない。
 
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