【スタイル分析】パスワークとダイナミズムの融合|アルジェリア

2014年05月24日 河治良幸

移民系選手とスリマニの抜擢で攻撃を活性化

ソフィアン・フェグーリ (C) Getty Images

 ハリルホジッチ監督は、4年前まで率いたコートジボワール代表に圧倒的な得点力を植え付けた攻撃サッカーの伝道師だ。同国サッカー連盟との確執により、前回大会を前に解任となったが、今度はアルジェリア代表で中盤のパスワークとダイナミックな仕掛けが融合したスタイルを作り上げた。
 
 指揮官がキャリアを積み上げたフランスから、フェグーリ、タイデルら移民系選手を積極的に取り込み、攻撃陣のタレントレベルを引き上げる一方、スリマニの抜擢で積年の懸案事項だった決定力不足を解消。3試合で1点も奪えなかった前回大会と比較して、攻撃陣は大きくスケールアップした。
 
 プレッシングとリトリートを使い分けるディフェンスは、個々の肉体的な強さを活かしながら、組織としてしっかり守る形ができている。ただ、スピードへの対応に不安があり、敵にスペースを突かれて裏を取られると、あとはGK頼みというシチュエーションに陥りがちだ。
 
 グループリーグで対戦する3か国は、いずれも縦に速い攻撃を繰り出す。失点を回避するためには、ボールを保持している時のリスク管理が生命線になるだろう。
 
文:河治良幸
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