【スタイル分析】展開に応じて速攻と遅攻を使い分け主導権を握る|ベルギー

2014年05月24日 アルド・ドルチェッティ

クオリティーの高い攻撃陣の一方で…。

エデン・アザール (C) Getty Images

 プレミアリーグの有力クラブで中心選手として活躍する若手、中堅が顔を並べる好チームだ。特に中盤から前線にかけてはタレント揃いで、フィジカルコンタクト、スピード、ダイナミズム、テクニック、そしてインテリジェンスと、あらゆるクオリティーが詰まっている。
 
 素晴らしいのは、それがチームとしてひとつにまとまり、見事に機能している点。イタリアやフランスを差し置いて、シード国に選ばれただけの力は備えている。
 
 基本システムは4-2-3-1。コンパクトな陣形をやや高めの位置に敷き、アグレッシブなプレッシングでボールを奪い、スピードに乗った速攻で一気にフィニッシュに持ち込む。この高質なポジティブ・トランジション(守→攻の切り替え)が、チーム最大の美点。試合展開によっては、ポゼッションで中盤を支配して主導権を握る戦法にも切り替えられる、実にモダンなチームだ。
 
 攻撃力の高いアタッカーを数多く擁する反面、最終ライン、とりわけ両SBは人材を欠いたままだ。CBを4枚並べて守備を安定させる、攻守分業の役割分担となっている。
 
分析:アルド・ドルチェッティ
構成:片野道郎
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