【スタイル分析】カウンター重視からポゼッション型への転換|アメリカ

2014年05月23日 河治良幸

クリンスマンが打ち出した新機軸。

クリント・デンプシー (C) Getty Images

 志向するのは母国開催の94年大会当時から貫いてきたカウンター重視のサッカーではない。2011年7月に就任したクリンスマン監督の下、中盤のパスワークを基調としたポゼッション・スタイルに転換。組み立て時は高い機動力を生かしながら、ダイナミックにボールを動かしていく。
 
 両サイドアタッカーが高い位置でボールを持ち、ゴール方向に仕掛けると、トップ下のデンプシーやボランチのジョーンズも果敢に前へ。縦を突破する意識が高い両SBを含め、攻撃に厚みをもたせている。
 
 守備は中盤でのプレッシングが主体で、高いポジショニングをとるSBも参加する組織的なボール奪取は圧巻。一方、守→攻の切り替え時にチャンスを見極めれば、伝統のカウンターを繰り出せる。
 
 もっとも、こうしたアクション型の戦い方が3戦目で激突するドイツなどの列強に、どこまで通用するかは未知数。また、バイタルエリアで国際レベルに達していない最終ラインをサポートできないと、かなり危機的な状況になりそうだ。自分たちが押し込む展開でも、押し込まれる展開でも、DF陣にはつねに不安が付きまとっている。
 
文:河治良幸
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