【スタイル分析】ポゼッション&堅守速攻の二枚刃を兼備|ポルトガル

2014年05月23日 ロベルト・ロッシ

C・ロナウドを生かした速攻という新たな武器。

クリスチアーノ・ロナウド (C) Getty Images

 レギュラー陣の顔ぶれは、ベスト4進出を果たしたEURO12当時とまったく変わらない。全員が20代後半~30代前半とキャリアのピークを迎え、さらに2年の歳月を経て組織の熟成が進んだ。今大会がひとつの集大成になるだろう。
 
 システムも2年前と同じ4-3-3。チームの基本的な振る舞いは、ボールポゼッションを重視するポルトガルの伝統的なスタイルのそれだ。
 
 しかしながら欧州予選のプレーオフでは、あえて受けに回って相手を自陣に引き込み、ボールを奪うや否や素早く前線に展開。C・ロナウドの個人能力を活かしたカウンターで仕留めるという新たな戦法でスウェーデンを退けた。破壊的な威力を示した堅守速攻は、格上との対戦が避けられないワールドカップで大きな武器になりえる。
 
 とはいえ、基本姿勢はあくまでポゼッション志向。最終ラインから丁寧にパスをつなぎ、ゆったりとしたリズムでボールを運ぶ。ただ、C・ロナウドとナニというスピードと突破力を備えたウイングを擁しているため、状況によってはロングボールを使って縦に速い攻撃を織り交ぜるのが特徴だ。
 
分析:ロベルト・ロッシ
構成:片野道郎
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