【スタイル分析】攻撃を加速させる縦パスへの意識は高い|ドイツ

2014年05月23日 ロベルト・ロッシ

カウンターでこそ真価を発揮する攻撃力。

メスト・エジル (C) Getty Images

 チームとしての成熟度が4年前より高く、主力の多くがキャリアのピークを迎えているドイツは、今大会の優勝候補に挙がる。
 
 基本システムは4-2-3-1で、ゲッツェでさえレギュラーを掴めないMF陣の充実が最大の強み。右膝の靱帯断裂からの復活を目指すケディラが本大会を棒に振っても、セントラルMFのその穴はクロースか、L・ベンダーで十分埋められるだろう。
 
 2列目は右からオフ・ザ・ボールの動きが光るT・ミュラー、傑出したクリエイティビティー誇るエジル、スピードと突破力を兼備したロイスと、タイプの異なる相性抜群の3人が並ぶ。1トップの柱は35歳となったいまなお、前線の基準点として変わらぬ存在感を発揮するクローゼだ。
 
 縦パスで攻撃を加速させるチャンスをつねに窺うのがチームスタイルの特徴。ボールポゼッションをそれなりに重視しつつも、展開をスローダウンさせるのは好まない。もっとも怖さを発揮するのはカウンター発動時だ。フィジカルが強くダイナミックな伝統はそのままに、高いテクニックを加え、より洗練されたサッカーを展開している。
 
分析:ロベルト・ロッシ
構成:片野道郎
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