【スタイル分析】個々の能力を生かしたアフリカン・サッカー|ナイジェリア

2014年05月23日 河治良幸

攻守に渡って局面では個人能力の高さを発揮。

ヴィクター・モーゼス (C) Getty Images

 攻守のバランスを重視した4-2-3-1をベースとしつつも、個々の能力を最大限に活かした伝統的なアフリカン・スタイルを色濃く残す。
 
 全体的に流動性には欠けるものの、各局面で個々がパワーやスピード、テクニックを発揮するアタックは、予選でも安定して高い攻撃力を誇った。司令塔として中盤の底からチームを牽引するのはキャプテンのミケル。巧みなボールキープから前方に正確な縦パスを配給する。
 
 2列目ではモーゼスやムサといった快足アタッカーが、自慢のドリブルでチャンスメーク。サイドに開いてボールを受けるや、縦方向に、ダイアゴナルにと突破を繰り返し、洗練された守備組織を誇るチームに対しても、たびたび危険な状況を作り出した。
 
 ゾーンディフェンスを敷く守備は、他のアフリカの出場国ほどコンパクトネスを追求せず、各々が持ち場で1対1にきっちり対応する。組織としての連動性はさほどないが、最終ラインの4人の守備能力は高く、前線のタレントの個人技を前面に押し出して攻めてくるアルゼンチンやボスニア・ヘルツェゴビナの攻撃にも対処可能だろう。
 
文:河治良幸
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