【スタイル分析】絢爛豪華なタレントが揃う攻撃陣が最大の魅力|アルゼンチン

2014年05月23日 ロベルト・ロッシ

強大な攻撃力の陰で不安な守備の脆弱さ。

リオネル・メッシ (C) Getty Images

 攻撃陣の顔ぶれは世界屈指である。だが一方で最終ラインは、優勝候補に挙げられる伝統国の中で、ダントツに貧弱だ。致命傷になりかねないこの弱点をいかにカバーして、傑出した攻撃力を引き出しつつ、攻守のバランスを確保するか。本番に向けた最大の課題だろう。
 
 基本となるシステムは、メッシ、イグアイン、アグエロという強力なストライカーを前線に並べ、さらに本来はウイングのディ・マリアをインサイドハーフに起用する4-3-3。しかし、個人能力が高いとは言えないCBペアが敵アタッカーと簡単に2対2となってしまうこの布陣は、格下はともかく強豪相手ではリスクが大きすぎる。
 
 ポゼッションを維持して試合のリズムをコントロールしようとする意識は強い。とはいえCBをはじめ最終ラインからのパス出しは質が低く、危険なボールロストから逆襲を許すシーンが目につく。
 
 メッシを筆頭とする攻撃陣が強力ゆえ期待と注目を集めるのは間違いないが、現状ではグループリーグは突破できても、決勝トーナメントでは思わぬところでつまずく可能性が低くない。
 
分析:ロベルト・ロッシ
構成:片野道郎
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