【スタイル分析】シンプルなつなぎで2列目の打開力にかける|スイス

2014年05月23日 アルド・ドルチェッティ

年代別大会で結果を残す2列目のヤングトリオ。

ジェルダン・シャキリ (C) Getty Images

 攻撃の基本スタイルは、パスを主体とした最終ラインからのビルドアップ。主導権を握る目的のボールポゼッションではなく、手数をかけずにシンプルに2列目の3人にボールを供給する。そこから仕掛けのプロセスに移行するという流れだ。
 
 スピード、アジリティー、ファンタジアを兼ね備えた2列目右サイドのシャキリ、ドイツで売出し中のビッグタレントでトップ下のジャカを活かした中央突破が、崩しのカギを握る。両SBのオーバーラップを使うサイドアタックも選択肢のひとつだ。
 
 シャキリとジャカだけでなく、ナポリで2ボランチを組む経験豊富なインラーとベーラミらを擁する中盤は自慢のセクション。豊富な運動量で攻守を支える両SBの積極性が目立つ最終ラインも、まずまずの安定感を見せている。物足りなさが否めない唯一のポジションはCF。今シーズンのリーガ・エスパニョーラで2ゴールのセフェロビッチが、レギュラーの大役を担う。
 
もっとも、全体的には興味深いチームだ。近年、ユース年代のビッグトーナメントで上位進出を果たし、現在は有力クラブで主力を担っている高質の若手・中堅が多い。
 
分析:アルド・ドルチェッティ
構成:片野道郎
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