【スタイル分析】コンセプトは「人もボールもよく動く」|オーストラリア

2014年05月23日 河治良幸

連係を駆使した崩しを新たに導入。

ティム・ケイヒル (C) Getty Images

 オジェックが指揮を執ったアジア予選では、ソリッドな守備ブロックと早いタイミングでのクロスを武器に、良くも悪くもフィジカル色の強いスタイルを最大の特徴としていた。
 
 しかし、昨年9、 10月の強化試合で、ブラジルとフランスにいずれも0-6の大敗を喫し、オジェックは解任の憂き目に遭ってしまった。後任にはAリーグのブリスベンで名声を得たポステコグルーを招聘した。
 
 主力の顔ぶれは前体制と大きく変わらないものの、新監督は戦術面で新機軸を導入。攻撃面はショートパスを軸に、人もボールもよく動くコンビネーションを駆使した崩し、守備面では積極的なハイプレスを志向する。攻守両面でのハードワークは必須で、特に両サイドアタッカーには豊富な運動量が求められる。その意味で圧倒的なダイナミズムを誇るクルーズの負傷は痛恨。代役候補に挙がるヴィドシッチの出来が、大きな鍵を握る。
 
 グループリーグで戦うスペインやオランダを相手に主導権を握る展開は想定しにくい。攻撃マインドの強いポステコグルー監督がどのような対策を講じてくるのか、注目だ。
 
文:河治良幸
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