【スタイル分析】ハイプレスとマンツーマンの融合に特徴|チリ

2014年05月23日 河治良幸

継承された”ビエルサ・スタイル”。

アレクシス・サンチェス (C) Getty Images

 アルゼンチン人のサンパオリ監督は、前回大会でチリを率いた同胞の指揮官、ビエルサの戦術を引き継いでいる。高い位置からプレスをかけ、ボール保持者だけでなくパスの受け手となる選手にも厳しいマークをつける。ハイラインのプレッシングとマンツーマンを融合した守備スタイルだ。
 
 攻撃時は中盤のパスワークを主体としながら、ポゼッションにこだわらず、素早いサイドアタックと2列目からの飛び出しで得点を奪いにいく。得点源のA・サンチェスとバルガスは、前線のワイドなポジションから鋭くカットインする形だ。
 
 南米予選では強力な2トップを擁する相手が多かったので、CBを3枚にした3-4-3をメインとしていた。しかし、対戦国のすべてが3トップ気味の前線を持つグループBの戦いでは、4バックを採用する可能性が高い。
 
 ひとつだけ確かなのは、スペインやオランダに対しても消極的にならず、積極果敢に戦いを仕掛けていくということ。ワールドクラスに成長したMFのビダルを中心に、全員で攻め全員で守るという意識の徹底が、厳しいグループを勝ち抜く生命線となる。
 
文:河治良幸
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