【スタイル分析】ワイドに開いたウイングが果敢に仕掛ける|オランダ

2014年05月23日 ロベルト・ロッシ

伝統の攻撃的なスタイルが復活。

アリエン・ロッベン(左)とロビン・ファン・ペルシ(右) (C) Getty Images

 ロッベン、ファン・ペルシ、スナイデルという3人のワールドクラスを擁するアタッカー陣は、準優勝した4年前の南アフリカ大会からほとんど変わらない。その一方で守備ブロックは、アンカーのN・デヨングを除けば、大幅に世代交代が進んだ。
 
 特に最終ラインはEURO12からそっくり顔ぶれが入れ替わったが、クオリティーは凡庸なままで、チームのアキレス腱になっている。予選の快進撃は、自慢の攻撃陣が守備の不足を補って余りある活躍を披露したからこその結果だ。
 
 基本戦術は、ファン・ハール監督の下で復活した、ワイドに開いたウイングが1対1の突破から局面を打開する、オランダ伝統の攻撃的なスタイルだ。ポゼッションを高めて主導権を握りながら、ゲームを支配。ピッチを幅広く使ってグラウンダーのパスを足下につないで攻撃を組み立て、サイドチェンジを多用しながらウイングへと展開しては、仕掛けの場面を作り出す。
 
 攻撃の最終局面は個の力に依存しがちだが、中心的役割を担うロッベンの突破力、ファン・ペルシの決定力は、いかなる相手でも違いを作り出す。
 
分析:ロベルト・ロッシ
構成:片野道郎

※分析は予選終了時。
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