【スタイル分析】正確なパスワークからの両翼の仕掛けが武器|カメルーン

2014年05月23日 河治良幸

イメージを覆す攻撃メカニズムを構築。

サミュエル・エトー (C) Getty Images

 確かなチーム戦術の中で高い身体能力を発揮する。いずれも万能型のマクン、エノ、ソングの3人が、中盤で流動性の高いトライアングルを形成。彼らの力強くも正確なパスワークから、エースのエトーと新鋭ムカンジョが張る両翼のダイアゴナルな仕掛けを中心とした崩しに繋げる。
 
 歴代のカメルーンと言えば、攻撃は個人技頼みの印象が否めなかった。しかし、ドイツ人のフィンケ監督はオーソドックスではあるものの、秩序のあるビルドアップをチームに植え付け、オフェンスに比較的明確なメカニズムを生み出している。
 
 FWもしっかり参加する守備は、縦にも横にもコンパクトでボール奪取の意識が高い。予選10試合で4失点という堅守は、ソングを中心とした中盤のプレッシングの賜物だ。
 
 ただし、ボールホルダーを数人で一気に囲むため、正確なサイドチェンジからオープンスペースを突かれると苦しい状況になりやすい。また、カウンターへの対応もやや甘い。グループAの対戦国はそうした特徴を把握しているはずで、ディフェンスリーダーのヌクルには状況に応じたオーガナイズが求められる。
 
文:河治良幸
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