【スタイル分析】ワイドなビルドアップと小気味いいパス回し|メキシコ

2014年05月23日 河治良幸

攻撃に変化を生み出したマルケスの復帰。

ラファエル・マルケス (C) Getty Images

 国内組中心で臨んだ1月の韓国戦は4-0で完勝。1年間で三度の監督交代を経験するなど、13年中は混迷を極めたものの、昨年10月のM・エレーラ監督の就任を機に平穏を取り戻しつつある。
 
 チーム戦術の基盤となっているのがポゼッションだ。左右のウイングバックを組み込んだワイドなビルドアップから、メキシコらしい小気味のいいパス回しで局面を進める。バイタルエリアに侵入するや、テンポアップして崩しのパスと果敢なドリブルでチャンスを創出する。
 
 チームにとって大きかったのは、35歳の頭脳派DFマルケスの代表復帰だろう。指揮官が復活させた3バックの中心として統率力を発揮しながら、正確なフィードを前線に供給。FWを走らせ一気にスペースを攻略するなど、やや単調な印象だった攻撃にアクセントを加えている。
 
 M・エレーラ体制下で中軸を担ってきた国内組の多くは世界的に無名ながら、プレーのクオリティーは総じて高い。J・エルナンデスをはじめとした欧州組との融合が進めば、6大会連続の16強進出を狙えるチームが完成するはずだ。

文:河治良幸
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