【スタイル分析】攻撃陣以上に鍵を握るCBコンビのレジスタ的機能|ブラジル

2014年05月23日 ロベルト・ロッシ

唯一の懸念材料はCFの人材不足。

ネイマール (C) Getty Images

 優勝が義務付けられるブラジルは、ほとんどのセクションにワールドクラスを複数擁している。戦力の絶対値と層の厚さはナンバー1だ。
 
 基本スタイルは伝統のポゼッションサッカー。ただ主導権を握ってリズムをコントロールしようとする意識は比較的薄く、縦に展開できるルートがあれば躊躇なく前線にボールを送る。中盤に典型的なプレーメーカーを置かず、最終ラインと2列目の3人が組み立ての生命線になっているのが特徴だ。
 
 ブラジルの強さの鍵は、攻撃陣以上に最終ライン、とりわけCBのT・シウバとD・ルイスにある。守備における絶対的な貢献はもちろん、攻撃においても実質的なレジスタとして機能するこのペアは、間違いなく世界最強だ。
 
 もちろんネイマールを筆頭とする攻撃陣の充実度もトップレベル。2列目の3人は1対1の突破力、コンビネーション、ラストパス、ミドルのいずれにも優れる。ただし、CFは唯一ワールドクラスを欠いている。通算6度目の優勝を果たすには、攻撃陣の中からヒーローが出てこなければ、つまりネイマールが重圧に打ち勝ち期待に応えられるかがポイントだ。

分析:ロベルト・ロッシ
構成:片野道郎
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