“崇高な点取り屋”アグエロ――現地でのリアルな評価とマンC内での地位は?

2018年02月13日 山中忍

クラブ歴代得点王として君臨する29歳。

レスター戦で怒涛のゴールラッシュを見せたアグエロ。その嗅覚は、いまだ鈍っていない。 (C) Getty Images

 マンチェスター・シティのセルヒオ・アグエロに対する評価は、これ以上は上がりようのないほど高まっている。
 
 後半だけで4ゴールを決めたプレミアリーグ27節のレスター戦(5-1)後には、「驚異的」(『BBC』実況)、「別格」(BBC解説者ディオン・ダブリン)、「崇高」(『Telegraph』紙)といった絶賛の言葉が国内メディアで飛び交った。
 
 例年通りリーグ得点王を争うアグエロの今シーズンのゴール数は、同節終了時点で21。まだ序盤戦だった9月の時点で、プレミアリーグ史に名を刻むCFの一人であるアラン・シアラーは、「30ゴールは固い」とアグエロを評価していた。
 
 クラブ歴代得点王として君臨する29歳は、これでプレミアリーグでは4シーズン連続となる20得点の大台を達成。1試合4ゴールが通算3度目なら、ハットトリック達成は実に12回目を数える。

 しかも、英メディアから「パーフェクト」と称され、ヘディング、右足、左足で決めたニューカッスル戦(プレミア24節)でのハットトリックから、まだ1か月と経っていなかった。
 
 ピッチ上でのプレースタイル、天候、そして私生活でのライフスタイルなど、イングランドに馴染めずに終わることが少なくない南米出身選手たちの中で、在籍7年目のシティでゴールを量産している事実が、アルゼンチン代表ストライカーに対する好感を高めてきたとも言える。
 
 レスター戦で叩き込んだ4ゴールも、BBCラジオの実況担当者が「この男にはボックス内で不可能などないのか?!」と感嘆の声を上げたほどのクオリティー。まさに、「アグエロ印」満載のゴールラッシュとなった。
 
 簡単なタップインに見える1点目も、CBハリー・マグワイアの死角をついたポジショニングで、確実にチャンスをモノにするクレバーな動きがあればこそ。ケビン・デ・ブルイネからのパスをペナルティーエリア内で受けて決めた2点目は、瞬時にコースを見極め、守護神キャスパー・シュマイケルの脇の下を撃ち抜いた。
 
 シュマイケルのミスキックに乗じた3点目にしても、絶妙なチップキックでクールにフィニッシュしている。そして、ハットトリック後も貪欲に狙い続けた結果の賜物と言うべき4点目は、アグエロにしては珍しい、ペナルティーエリア外からの一撃だった。

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