8歳でアーセナルを“クビ”になったケイン…なんと理由は「太っていたからさ」

2018年02月13日 サッカーダイジェストWeb編集部

「我々が間違っていた。認めざるを得ない事実だ」

ユース時代からほっそりした体型のケインだが、少年時代は太っていたという意外な事実が…。(C)Getty Images

 押しも押されもしないトッテナム・ホットスパーの大エースで、世界でも指折りのストライカーへと成長を遂げたハリー・ケイン。現在23得点を挙げ、3シーズン連続のプレミアリーグ得点王に邁進する24歳のイングランド代表FWが「ずっと忘れられない」と語ってきたのが、8歳で直面した出来事だ。
 
 当時アーセナルのアカデミーに籍を置いていたハリー少年は、入団からわずか1年で放出されてしまう。「本当にショックだったけど、いつか見返してやると誓い、悔しさを糧に頑張ってきた。いまとなれば輝かしい思い出」と本人は振り返る。その後ワトフォードを経て、ずっと心のクラブであったトッテナムに11歳で入団。「だからノースロンドン・ダービーは異常なまでに燃えるんだ」と話すケインは、土曜日のアーセナル戦でも決勝ヘッドをねじ込み、1-0の快勝に貢献。スパーズ(トッテナムの愛称)では142試合で101得点を挙げており、すでに生ける伝説となっている。

 
 アーセナルにとって「逃がした魚は大きかった」わけだが、なぜ目利きの指導者が揃う育成の名門が才能を見抜けなかったのか。その理由が明らかになった。
 
 イタリアの全国紙『Corriere della Sera』が2月11日の紙面で組んだ特集は、チャンピオンズ・リーグ(ラウンド・オブ16)のユベントス対トッテナム戦のプレビュー。そのなかで、かつてアーセナル、ユーベ、インテルで活躍した元アイルランド代表MF、リアム・ブレディ氏を直撃している。稀代のプレーメーカーは1996年から2014年まで、アーセナル育成部門で要職を歴任していた。
 
 ブレディ氏は、ケイン少年のことをよく覚えていると語り、こう続けた。
 
「早い話が、彼は太っていて、運動能力も低かったんだ。不幸にもね。当時の評価基準では諦めるほかなかった。でも、明らかに我々の間違いだったよ。それは認めざるを得ない事実だ。トッテナムは若い彼を3、4回、下部のクラブにローン移籍させたけど、一度トップでチャンスを掴んでからの歩みは本当に輝かしいものだった。素晴らしいキャラクターの持ち主で、常に進化するために貪欲な取り組みを続けている。いまやリオネル・メッシ、クリスチアーノ・ロナウド、ロベルト・レバンドフスキに次ぐ存在だろう。まだ24歳。末恐ろしいね」
 
 はたしてこの言葉を聞いて、ケインはどう感じるのだろうか。いまや推定市場価格が1億2000万ユーロ(約156億円)に達し、レアル・マドリーが引き抜きに本腰を入れるワールクラス。現地時間2月13日には、ユベントス・スタジアムでセリエA王者の牙城に挑む。

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