国外初挑戦の33歳、ヴェローナを去った2日後にマドリーから…「これ以上の喜びは求められない!」

2018年02月10日 サッカーダイジェストWeb編集部

「世界王者からゴール」の鮮烈リーガデビュー。

1点ビハインドで迎えた89分、このマドリー戦がリーガデビューとなったパッツィーニ(左)はジェイソンのスルーパスに鋭く反応。同点ゴールを叩き込み、スタジアムに特大の歓喜と興奮をもたらした。(C)Getty Images,REUTERS/AFLO

 初の国外挑戦の幕開けとして、これ以上の出来はないだろう。

 冬の移籍マーケットでヴェローナからレバンテにレンタル移籍した元イタリア代表のジャンパオロ・パッツィーニは、現地時間2月3日のリーガ・エスパニョーラ第22節レアル・マドリー戦で、チームに勝点1をもたらす貴重な同点弾を挙げた。

 セリエA昇格の立役者だったパッツィーニだが、1部に戻ってきた今シーズンは出場機会に恵まれず、1月の移籍市場で新たな冒険に挑むことを決意する。33歳にして、初めての国外挑戦だ。

 移籍後最初の試合、会場はレバンテのホームスタジアム、シウタート・デ・バレンシアで、相手はR・マドリーだった。これ以上ない舞台で、パッツィーニは1-1のタイスコアで迎えた77分に途中出場を果たす。

 直後の81分にレバンテは、イスコにゴールを決められてビハインドを背負い、苦境に立たされた。しかし終了間際の89分、パッツィーニがMFジェイソンのスルーパスに抜け出し、値千金の同点弾を奪取。デビューからわずか12分で、レバンテ・サポーターの心をつかんだ。

 パッツィーニはイタリア『Fox Sports』のインタビューで、「信じられない瞬間だった」と当時の感動を振り返っている。

「ヴェローナを去って、その2日後にマドリーと対戦したんだ。新しい国、新しいリーグ、新しいチームでね。自分にとってはかなり特殊な数か月を過ごしたから、同点ゴールは本当に素晴らしい感動だった」

 これほど鮮烈なデビューはそうあることではないだろう。パッツィーニ自身、これまでの長いキャリアにおいても、上位に位置する喜びだったと認めている。

「たしかに、そうあることじゃない。とくにこの試合を迎えるまでの日々を考えれば、なおさらだ。私はあの日、自分の価値を示したいという意欲に溢れていた。国外挑戦は、ゼロからのリスタート。こういう形で一歩を踏み出すことができて嬉しいよ」

 さらにパッツィーニは、「ずっとこういう重要なゴールを決めたかった。満員のスタジアムで、世界王者のチームを相手に。最高の喜びだったよ。これ以上は求められない」と喜びの言葉を続けた。

 パッツィーニはこのままスペインで上昇気流に乗り、17位と低迷するレバンテを救えるのか。次節は11日、敵地でバレンシアとのダービーマッチだ。
 
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