京都の闘莉王は今季も"二刀流"!意外な一面を見せて人心も掌握

2018年02月10日 雨堤俊祐

ダメなプレーは激しく問い詰めるが、トライしたミスには「悪くないよ!続けていこう」

今季はCBがメインポジションに。コンビを組む染谷とのコンビネーションは良好だ。写真:雨堤俊祐

 京都と水戸の練習試合が9日、沖縄県総合運動公園陸上競技場で行なわれ1-1で引き分けた。45分×2本のゲームは、京都が70分にスタメン候補とされる先発選手とリザーブ選手をほぼ総入れ替え。対する水戸は、前日の練習試合に不出場もしくは短時間のプレーに終わった選手たちで90分を戦っている。
 
 試合は21分に岩崎悠人が獲得したPKを仙頭啓矢が決めて京都が先制するも、水戸が後半立ち上がりの47分に左サイドの黒川敦史の折り返しから、最後は白井永地が押し込んでドローに持ち込んだ。
 
 スタメンの10人がベンチに下がった70分、ただひとりピッチに残った男がいた。「(キャンプ期間を)怪我無くやれてよかった」と話す田中マルクス闘莉王だ。
 
 昨年はシーズン途中からFWへコンバートされてチーム最多の15得点を叩き出したが、今年はここまでCB起用が多い。京都は最終ラインからパスをつないでいく攻撃の組み立てを沖縄キャンプのテーマとして取り組んでおり、闘莉王は視野の広さや落ち着いた状況判断を生かして、最終ラインから中盤へのパスやサイドチェンジを供給している。
 
 また、CBでコンビを組む染谷悠太とのコンビも良好だ。今年はキャプテンを務める染谷はコミュニケーション能力に長けており、闘莉王の時に激しい主張もしっかり受け止めて意思疎通ができている。「失点は悔しいが、練習での取り組みも出ている。(闘莉王らと形成する最終ラインから)中盤へ良いパスが入るシーンを多く作りたい」と攻撃スタイルの成熟を誓う。
 
 闘莉王はもちろん、対人守備や空中戦の強さも披露。失点時もサイドからの折り返しにあわせた相手FWのシュートを身体を投げ出してブロックして一旦はピンチを防ぐなど、CBとしてのブランクは感じさせない。
 
 また、途切れることのないコーチングで味方を叱咤激励する姿も健在だ。ダメなプレーがあれば激しく問い詰めるが、ミスがあってもトライした結果であれば「悪くないよ!続けていこう」と後押しし、良いプレーがあれば「ナイスプレー!」「素晴らしい!」とチームメイトを盛り立てている。京都で2シーズン目を向かえ、闘莉王もチームにずいぶん馴染んできた。

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