英紙が疑惑の判定を読唇術で分析! 主審と副審の会話内容をリーク 「正直言って全く分からない…」

2018年02月06日 サッカーダイジェストWeb編集部

論点となったのはオフサイドかどうか。

PKの判定が正当だったのかを協議するモス(右から2人目)とスマート(右から1人目)。この2人のジャッジは英国のみならず世界で話題となった。 (C) Getty Images

 疑惑の判定を巡って燃え盛る"炎上"の勢いは、いまだ収まりそうにない。ついには英国メディアで読唇術を用いて試合映像の分析がされるようになった。
 
 問題となっているのは、現地時間2月4日にアンフィールドで行なわれたリバプール対トッテナムの一戦で主審を務めたジョナサン・モスと副審のエド・スマートの疑惑の判定だ。
 
 1-1で迎えた88分、デル・アリのスルーパスが、リバプールのCBデヤン・ロブレンの股下か足に当たる際どいコースを通り、オフサイドポジションにいたハリー・ケインに繋がる。この時点でリバプールDF陣はオフサイドをアピールするも、笛は鳴らず、プレーを続けたケインが相手GKロリス・カリウスに倒され、モスとスマートは協議の結果、PKの判定を下していた。
 
 確かにジャッジの難しい場面ではある。とりわけ、ロブレンがボールに触れていたかどうかはリプレイ映像を見返しても意見が二分するぐらいに際どい。そんな疑惑のシーンを読唇術でもって独自に解析したのは、日頃からサッカーをあらゆる視点から切り取っている英大衆紙『The Sun』だ。
 
 同紙が切り抜いたのは、モスとスマートに協議に割って入るクリスティアン・エリクセン(トッテナム)とエムレ・ジャン(リバプール)の会話。主審が副審に判断を仰ぐところから始まる――。
 
モス:「PKかどうか教えてくれないか?」
 
スマート:「僕が知りたいのはロブレンがボールに触れたかどうか。彼は触っていたか?」
 
モス:「私は分からない」
 
スマート:「彼がボールに触れていなければ、それはオフサイドだから、あなたはPKを取り消さないと。触っていたらオンサイドだ」
 
エリクセン:「ロブレンはボールに触っていたよ」
 
ジャン:「いいや! ロブレンはボールに触ってない」
 
モス:「(スマート)もう一度言ってくれないか?」
 
スマート:「あなたは僕が言ったことを理解しているはずだ。僕はロブレンがボールに触れていたことを明確にしたい。だから、『ロブレンがボールに触れていればPK、触れていなければオフサイド。誤った判定だ』」
 
モス:「あなたが見ていなければ、正直言って、私はロブレンが関与していたかは全く分からないが、PKにしよう」
 
 一連の会話が事実であるならば、モスとスマートは不透明な状態で重要な判断を下したことになる。試合終了間際の95分にファン・ダイクがかわそうとした足にエリク・ラメラが飛び込んでPKとなった判定も含めて、粗末な対応だったと言える。
 
 国内カップ戦では導入が始まっているものの、「試合進行の妨げになる」といった理由で、プレミアリーグではいまだ導入されていないVAR判定。だが、今回のような疑惑の判定が続くようであれば、導入への声は高まるだろう。
 
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