【FC東京】首都再建へ、長谷川監督のスタンスは? 気になるスタメン争いは?

2018年02月06日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

今季のスタメンは読みにくい

2月5日の練習で選手に指示を出す長谷川監督。FC東京を再建できるか注目だ。写真:徳原隆元

 今季からFC東京を率いる長谷川健太監督の基本的なスタンスは「平等」だ。ベテランも若手も関係なく、フラットに競わせるというものである。確かに、1月27日のバヤンカラ戦(Jリーグアジアチャレンジ/4-2でFC東京が勝利)でも昨季は不動のレギュラーだった髙萩洋次郎がスタメンから外れるなど「おや?」という部分はあった。
 
 プレシーズンマッチと言っても、本番前のテストである。そういう点からすれば、髙萩のベンチスタートも特別なことではない。ただ、始動日などの練習を見るかぎり、レギュラーポジション争いは例年以上に厳しいように映る。
 
 もっとも予想が難しいのはCBか。現役韓国代表のチャン・ヒョンスは練習から抜群のフィジカルを見せつけており、一方で丸山祐市も随所で好プレーを披露。もちろんミニゲームなどでミスはあるが、まずまずの仕上がり具合だ。昨季はキャプテンを務めた森重真人も胡坐をかいていられるような状況ではなく、もしかすると、チャン・ヒョンスと丸山が先発、森重がベンチスタートという試合も出てくるかもしれない。
 
 なにしろ、今季のJリーグはワールドカップ開催までに15連戦(リーグ戦とルヴァンカップを併せて)というタイトなスケジュールが組まれている。長谷川監督も「その15連戦をCBふたりで戦えるわけがない」とコメントしているのだ。
 
 前線や中盤にしても、序列は読みにくい。
 
2月5日の沖縄キャンプではFWで新戦力の富樫敬真が鋭い動き出し、フィニッシュへのアプローチでアピール。注目の久保建英もバヤンカラ戦ではさすがと思わせる技術で2ゴール、ベテランFWの前田もテクニカルなシュートで1ゴールを奪取している。
 
 中盤では橋本拳人、米本拓司、東慶悟、髙萩がしのぎを削っており、このうち誰が浦和との開幕戦に先発するか現時点で予想するのは困難だ。
 
 左SBの太田は言う。「チームに活気はあるし、今季のFC東京は面白いと思いますよ。あとは皆でどうまとまるか。選手がいてもまとまらないとダメですからね」。そのうえで、長谷川監督の「平等」というスタンスは大きなポイントになるかもしれない。
 
 昨季は大型補強で選手を揃えながらも、まとまりに欠けてリーグ13位。やはり、チームがひとつにまとまれるかは首都再建のために不可欠。長谷川監督の「平等」がひいては総合力アップ、一致団結に結び付けば、悲願のリーグ制覇へ期待は膨らむはずだ。
 
取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
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