10年ぶりのJ1復帰に突き進む千葉!! 大敗にも下を向かない理由は前半の出来にあり

2018年02月05日 松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

昨季からの継続性を感じさせるハイプレスで前半は相手を凌駕!!

改善の余地はあるが、ブロックを作る守備戦術も千葉の武器となりそうだ。写真:田中研治

 後半の大量失点が響いて1-4の大敗となったが、指揮官や選手たちはちばぎんカップの敗戦をネガティブに捉えていない。
 
 3日のちばぎんカップで柏に敗れた後、フアン・エスナイデル監督は「良いプレーをたくさんした。我々よりも強い相手に対して良いサッカーができたと思う」と語り、悲観的な言葉を並べなかった。その理由は前半の45分の出来に手応えを得たからだ。
 
 千葉はJ1トップクラスの強さを持つ柏を相手に、前半は主導権を掴んだ。4-1-4-1の最前線に入った昨季19得点のラリベイが守備のスイッチを入れると、広島から加わった茶島雄介と矢田旭のインサイドハーフコンビがパスコースを限定しながら相手に寄せる。両翼を担う為田大貴や町田也真人もこれに合わせてポジショニング。前線の5枚が連動して高い位置でボールを奪い、そのまま一気にゴールへと迫るアタックは昨年同様に迫力があった。先にネットを揺らしていれば、結果が逆になっていたかもしれない。
 
 また、アグレッシブな守備を昨季同様に見せた一方で「今日は全部前から行くような形を取らなかった」と町田也真人が言うように、新たなチャレンジができた点も好材料だ。

 柏戦では高い位置でボールを奪いに行くだけではなく、後ろにどっしと構える形も試みた。熊谷アンドリューや後半から入った佐藤勇人が務めたアンカーの脇を使われる場面もあったが、相手に持たせた上で増嶋竜也と近藤直也が中心となって守備ブロックを形成。攻め込まれる機会が多くなった前半30分以降は、彼らを中心にしっかりと跳ね返して0-0でハーフタイムを迎えた。

 こうした守備戦術が機能すれば、「柏のように上手い相手は簡単に(プレスを)剥がしてくる。そのやり方だけで1年間戦うのはきついと思うので、チームとして剥がされた時のことや、前から行なかった時のことを考えないといけない」という町田の言葉通り、シーズンを通して安定した戦いを見せることにつながる。
 
 後半に4失点を喫したのは、もちろん反省材料だ。とはいえ、相手はすでにACLのプレーオフで公式戦を1試合戦っており、自分たちよりも調整が進んでいたという側面もある。「ずっとやっているサッカーが45分できた点は良かった。後半はそれが続かなかったけど、初めての90分ゲーム。何も課題が出なかったより良かった」とは近藤の言葉。この柏戦で見せた前半の出来とチャレンジは10年ぶりのJ1昇格を目指すチームの礎になるはずだ。
 
取材・文●松尾祐希(サッカーダイジェストWeb編集部)
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事