苛立つニューカッスル・サポーターが”傲慢”オーナーに怒り! 「もっと俺たちを信頼してくれ」

2018年02月02日 サッカーダイジェストWeb編集部

ベニテスも不満を口にするニューカッスルの現状。

クラブの不振に物申したニューカッスル・サポーターたち。クラブを想う心の底からのメッセージはオーナーに届くのだろうか。 (C) Getty Images

 現地1月31日にイングランドの冬の移籍マーケットは閉じた。
 
 フィルジル・ファン・ダイクやアレクシス・サンチェス、ヘンリク・ムヒタリアン、ピエール=エメリク・オーバメヤンなど多くのスター選手の移籍が目立ったプレミアリーグの今冬の移籍市場において、積極的な補強を行なえなかったのがニューカッスルだ。
 
 今冬ではいずれもレンタルで、ケネディ(←チェルシー)とイスラム・スリマニ(←レスター)を獲得したものの、ラファエル・ベニテス監督が望んだとされるマンチェスター・シティのフランス代表DFエリアキム・マンガラはエバートンに出し抜かれてしまっている。
 
 理想が叶わなかったことにベニテスは、「私はクラブに対して忠実だ」としながらも、「何か月も働きかけ、名前をリストアップし、その選手を分析しているのは理想的な状況ではない。何かが間違っている」と、補強戦略の間違いを指摘している。
 
 ニューカッスルの経営の全権を握っているアメリカ人オーナーのマイク・アシュリー氏は、昨年11月に英国の投資ファンド『PCP Capital Partners』のアマンダ・スタイブリー女史から3億ポンド(約465億円)での売却を持ちかけられたが、「時間の無駄」とこれを固辞していた。
 
 オーナーの態度と経営方針に不満を抱いたニューカッスル・ファンは、自分たちの想いを大々的に掲げている。1月31日に本拠地セント・ジェームズパークで行なわれたプレミアリーグ25節のバーンリー戦のキックオフ10分前に巨大なバナーで次のようなメッセージをアシュリー氏に放った。
 
「あなたのクラブなのだから絶対に諦めないでくれ。あなたのクラブだからサポートし続けてくれ。そして、あなたが私たちを信頼してくれれば、クラブを取り戻せるだろう。それこそがあなたが望んだ全てだ。ニューカッスルは誰よりも大きい。街の一部なんだ。もっと信頼してほしい」
 
 ニューカッスル・サポーターが掲げたのは、クラブのレジェンドである元イングランドFWのケビン・キーガンが2008年にアシュリーの厳命によって監督職を追われた際に残した言葉を引用したもので、なんとも皮肉が効いている。
 
 サポーターの思い切った行動にクラブOBもすかさず反応。元イングランド代表FWで、1990年代後半から2000年代前半にかけてニューカッスルを牽引したアラン・シアラーは、自身のツイッターで持論を展開した。
 
「ニューカッスルがここ11シーズンで投じてきたのは大体4億5000万ポンド(約697億5000万円)だ。そのたびにテレビ放映権を投げ捨て、入場料を投げ捨て…‥彼らは可能性をドブに捨ててきた。今夜のファンはよくやったよ。クラブ愛を示してくれた」
 
 はたして、サポーターたちが掲示したクラブ愛は、アシュリーオーナーの心に響くのか? その答えは今後のクラブ経営で表れてくるはずだ。
 
 
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